研究課題/領域番号 |
18K07609
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
山内 崇平 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20550817)
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研究分担者 |
紀本 創兵 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (00405391)
鳥塚 通弘 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (20588529)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / マクロファージ |
研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorders : ASD)は、現在有病率が1~2%と以前に比べて高い頻度を示し、専門医療機関への受診も増加しており、社会的な関心が高い疾患である。多くの研究が行われているが、その病因及び病態は解明されていない。 ASD患者では中枢神経系においてミクログリアの活性化など免疫系の異常が多く報告されている。また同時に、末梢組織においても気管支ぜん息などアレルギー疾患の罹患率が高いことも知られており、全身性に免疫系の異常が想定される。 我々はこれまでに、ASDモデルマウスで、ミクログリア由来の炎症性サイトカインが増大 していることを報告し、また、ASD患者の末梢血単核球(PBMC)において、炎症性サイトカインとASD症状の一つである社会性の障害が有意に相関することを報告してきた。 PBMCから分化するマクロファージはM1/M2極性に分類されるが、近年、M2マクロファージの機能不全がアレルギーやメタボリックシンドロームなどの病態に関連していると報告されている。そこで、本研究では、ASD患者のM2マクロファージの機能不全について着目し、ASDの病態解明を目指すことを目的としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ASD患者血液検体の収集は順調に進んでいる。M1マクロファージおよびM2マクロファージを作製するが、M1マクロファージにおいてIL-6などの炎症性サイトカインが上昇していること、またM2マクロファージにおいて抗炎症性サイトカインであるIL-10の上昇を確認できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も継続してASD患者血液検体の収集を続けていく。そして、M1マクロファージおよびM2マクロファージにおいて、それぞれ炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6、TNF-α, IL-17A)や抗炎症性サイトカイン(IL-10, TGF-β, IL-4)を測定していく。 また、ASDモデルマウスであるBTBR マウス、Tbx1 KO マウスを用いた血液脳関門に関する実験も進めていく。
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