研究課題/領域番号 |
18K07612
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
小高 文聰 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10349582)
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研究分担者 |
松田 勇紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10726540)
鬼頭 伸輔 東京慈恵会医科大学, 医学部, 客員教授 (20406987)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 治療抵抗性うつ病 / 反復性経頭蓋磁気刺激療法 / 顕著性回路 / アンへドニア |
研究実績の概要 |
【研究の概要】 本研究では、失快楽症(アンへドニア)を中心とした抑うつ症状を呈する、薬物療法2剤以上に反応しない治療抵抗性うつ病(TRD)患者23例を対象に反復性経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)を行うことにより、その脳内の治療メカニズムを安静時機能的MRI(rs-fMRI)を用い解明することを目的とした。 【方法】 臨床研究「反復経頭蓋磁気刺激による大うつ病性障害におけるアンヘドニアの治療メカニズム:rs-fMRIによる解析」に参加したTRD患者23名(平均年齢47±12.7歳、%男性 60.9%)に対して、左前頭皮質に対する高頻度磁気刺激を週5日治療前、3週ないし6週間施行した。治療期間に関しては、1週おきにハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)およびモンゴメリー・アスベルグうつ病評価尺度で抑うつ症状を評価し、3週目の時点で寛解した患者は治療終了とした。それ以外の患者は6週目まで治療継続とした。rTMS治療前、治療後にrs-fMRIをハーモナイゼーション法(HARP)によるマルチバンド撮像を行った。アンへドニアの評価法に関しては、先行する臨床研究である「「労力による価値割引効果(effort discounting)」を利用した抑うつ症候の評価」で、健常者を対象に持続握力計を用いた労力による価値割引効果関数の代表パラメータを用いてうつ病患者の意欲の評価を行った。rs-MRIデータに関しては、前処理後、MATLAB上で動作するCONNツールボックスを用い、顕著性ネットワークにおけるrTMS治療前後の脳内の機能的ネットワーク変化を探索した。 【結果】 治療抵抗性うつ病患者における治療前の平均HAM-Dは21.3±4.04であり、23名中9名が寛解に至った。rs-fMRIでは、治療後に顕著性ネットワーク内の前帯状皮質と左海馬の機能的結合が増加し、HAM-Dと相関した。
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