研究課題/領域番号 |
18K07613
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
山田 恒 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20464646)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 痩せすぎモデル / 摂食障害 / 神経性やせ症 / 神経性過食症 |
研究実績の概要 |
2018年度は、痩せすぎモデルの摂食障害への影響と若年女性の痩せすぎの問題について、啓蒙を図るために、2度のシンポジウムの企画立案と発表を行った。2018年6月21日に第114回日本精神神経学会学術総会で「摂食障害、その人格病理、社会的背景の影響と治療的意味-痩せすぎモデル禁止法に向けて-」というシンポジウムでシンポジストとして発表を行った。また2018年11月8日に第22回日本摂食障害学会学術集会で「人格の病理としての摂食障害、痩せすぎモデル規制に向けて」というシンポジウムを企画し、シンポジストとして「痩せ礼賛文化の視点から」というテーマで発表を行った。 本研究に関連する投稿も行っており、「無視されてきたダイエットと痩せすぎの危険性 ― 痩せすぎモデル禁止法に向けて―」を共著として執筆し、精神神経学雑誌第120巻第9号(2018)741-751頁に掲載されている。また「摂食障害に関する治療ガイドライン」を単著として執筆し、精神科治療学33巻第12号(2018)1399-1404に掲載されている。現在、精神神経学雑誌に「欧米での痩せすぎモデル規制ーメディアに氾濫する不健康なロールモデルに対するリーガルモデルと医学モデルー」を投稿中である。 摂食障害治療者および当事者と家族、モデル事務所とメディアに対するアンケート調査の準備を進めており、アンケートの作成を行った。今後兵庫医科大学倫理審査委員会の倫理審査を経て調査を行う予定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度はアンケート調査を行いやすくするために啓蒙活動とアンケート調査を開始する予定であった。啓蒙活動は順調に進んでいる。アンケート活動は、当初の予定では2018年度末に開始する予定であったが、現在投稿中の論文のが受理されて、その公表と同時に行う予定としたことと、倫理審査委員会での審査の問題で、予定よりも遅れている。しかし2019年度前半には施行予定であり、全体スケジュールに大きな遅れはない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究のテーマについては、2019年度にも第115回日本精神神経学会学術総会と第23回日本摂食障害学会学術集会でのシンポジウムでこの問題について取り上げて発表する予定である。 摂食障害治療者および当事者と家族、モデル事務所とメディアに対するアンケート調査の準備は進んでおり、兵庫医科大学倫理審査委員会の倫理審査終了後に、2019年度前半に施行し、その結果についてまとめる予定である。 雑誌モデルのBMIの推移調査については、モデルの体重が公表されていない雑誌がほとんどであることが判明し、バスト/ヒップ比などの他の指標を使ってモデルの体型の変化を調査することを考えている。それらについては2020年度に調査する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
摂食障害治療者、当事者とその家族、メディア関係者、モデル事務所などへのアンケート調査を2019年度に施行することになり、その費用の分が次年度使用額に繰越になった。
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