研究課題/領域番号 |
18K07619
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研究機関 | 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 |
研究代表者 |
乾 幸二 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害システム研究部, 部長 (70262996)
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研究分担者 |
元村 英史 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (10324534)
竹内 伸行 愛知医科大学, 医学部, 助教 (20740947)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 抑制 / 脳波 / 脳磁図 / 介在細胞 |
研究実績の概要 |
聴覚誘発電位を用いた抑制系評価パラダイムについて、短潜時抑制、長潜時抑制それぞれの再現性検討が終了し、投稿しています。誘発波形の級内相関は概ね0.6以上で十分でありましたが、P50成分は低い傾向にありました。抑制率は波形よりも若干相関係数が下がりますが、臨床検査として用いるには十分の結果となりました。P50の再現性が悪い原因としてはフィルター設定や刺激音の選択も関係すると思われますが、波形が低振幅であることが最も重要な原因と考えました。P50を避け、N100もしくはN100-P200の振幅を用いるのが良いと判断しました。そのほか、聴覚定常反応や感覚系を越えた抑制についても成果があり、論文として発表しました。この成果を踏まえ、臨床データを取得するための体制を整えました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検査パラダイムが確立し、再現性の確認を終了させました。健常者データ取得は継続しますが、十分集まっています。次の患者さんからのデータ取得に向けての体制づくりも整いました。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は発達障害およびてんかんと健常者の比較により、どの潜時の抑制にどのようなさがあるかを検討します。例えば、長潜時抑制は閾値が高く持続が長いことから暴走抑制にはたらくと考えていますが、てんかんもしくはてんかんを合併する発達障害研究所障害で実際にこの抑制系に障害があるのかを確認する、といったことが挙げられます。その後、さらに例数を増やして、臨床症状と抑制能力の程度との関連を検討します。抑制能力とAQ、あるいは発作型や薬剤応答性といったことが一例です。
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次年度使用額が生じた理由 |
再現性検討に再考を要する項目が発生し、数十例のデータを再解析する事態となりました。その結果、臨床患者さんからのデータ取得がやや遅れ、主に検査謝金での支出が予定を大きく下回りました。これらは2020年度に遂行可能となる見込みです。同時に、論文出版関連の費用も執行されませんでした。これも、2020年度に予定通りか、それを上回る出版を見込んでおり、予算執行に支障はないと考えられます。
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