研究課題/領域番号 |
18K07619
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研究機関 | 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 |
研究代表者 |
乾 幸二 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害システム研究部, 部長 (70262996)
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研究分担者 |
元村 英史 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (10324534)
竹内 伸行 愛知医科大学, 医学部, 助教 (20740947) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | プレパルス抑制 / ペアパルス抑制 / 変化関連脳活動 / 聴覚誘発脳電位 |
研究実績の概要 |
聴覚誘発電位を指標とした、プレパルス抑制およびペアパルス抑制のパラダイムを確立し、健常者での正常値、年齢と性別の影響について明らかにしました。プレパルス抑制は短潜時、ペアパルス抑制は長潜時抑制に関わります。プレパルス抑制の程度に年齢の効果は認められず、生存に関わる基本機能を反映するものと考えられました。一方ペアパルス抑制は、加齢により有意に抑制が減弱しました。加齢による認知機能の低下に関連していると考えられました。反対に、変化発生に伴う自動応答(変化関連脳活動)の振幅は、いずれのパラダイムでも加齢と共に振幅が増大し、いわゆるcentral gain 仮説を支持しました。性差では、テスト刺激に対する応答振幅に顕著な差がありました。女性は高振幅で、にもかかわらず抑制はいずれのパラダイムで男性よりも低値でした。性差のある疾患、例えばストレス関連疾患との関連が推定されました。以上を報告しました。 疾患群との比較では、てんかんおよび発達障害を検討しました。いずれの群でも、ペアパルス抑制とプレパルス抑制いずれも、健常群と比べて有意に減弱していました。しかし、両疾患群間では有意差はありませんでした。ただ、傾向としてはてんかん群でペアパルス抑制がより低値で、発達障害群ではプレパルス抑制がより低値でした。いずれの疾患群も均一なグループではないと考えられ、今後疾患群をサブグループに分けて検討する予定です。
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