研究実績の概要 |
Sodium mercaptododecaborate (BSH) をscaffoldとしたイメージング剤の開発を目指し、BSH標識のモデル実験を行った。Kniessらの方法(App Radiat Isot 2011;69:1226-1230)に従い、N-[6-(4-[18F]fluorobenzylidene)aminooxyhexyl]maleimide ([18F]FBAM)を合成した。固相抽出カラムで精製された[18F]FBAMに、0.5mLの1/15molリン酸緩衝液(pH7.2)に溶解した5mgのBSH (Katchem, Prague, Czech Republic) を加え反応させた。反応混合物をHPLC (column; Capcell pak C18 UG120 S5 4.6mmID X 250mm, eluent;0.5M IPC-DHAA, 0.1% formic acid : CH3CN (4:6), flow rate; 1mL/min)にて解析した。室温~50℃では反応の進行はほとんど見られなかったが、60℃, 51minで33%の生成物が確認された。70℃, 20minでは78%の生成物が見られたが、[18F]FBAMは残存せず、分解物と見られる高極性副生物が見られた。以上、[18F]FBAMによってBSHのチオール基をポジトロン標識することが可能であった。多官能性クリスリンカーを用いて、BSHのチオール基、生理活性ペプチドのアミノ基、カルボキシル基、チオール基を架橋することで、ポジトロン標識BNCT製剤の開発が可能であると考えられた。
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