• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

放射性ハロゲンを用いた包括的癌診断・治療法(ラジオセラノスティクス)の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18K07630
研究機関金沢大学

研究代表者

小川 数馬  金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (30347471)

研究分担者 粟生木 美穂  福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助手 (10783227)
三代 憲司  金沢大学, 新学術創成研究機構, 助教 (60776079)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードアスタチン / イメージング / 内用療法 / セラノスティクス
研究実績の概要

2018年度は、211At標識RGDペプチドの合成、評価を目的とし、[211At]c[RGDf(4-At)K]ペプチドの合成に成功し、担癌マウスにおける体内放射能分布を調べ、その有用性を示した。
2019年度は、より高い腫瘍組織への集積を目指し、211At標識の基礎的検討として、125I標識ダイマーRGDペプチドの合成、評価を目的とし研究を行った。Fmoc固相合成によりペプチドc[R(Pbf)GD(OtBu)fK(Boc)]及びc[R(Pbf)GD(OtBu)f(4-I)K(Boc)]を合成し、両者をグルタミン酸をリンカーとして結合させ、脱保護することにより非標識体ダイマーペプチドE{c[RGDf(4-H/I)K]}2を合成した。また、ヨウ素をトリブチルスズ化することによりE{c[R(Pbf)GD(OtBu)f(4-H/SnBu3)K]}2を合成し標識前駆体とした。次いで、トリブチルスズと125Iとの交換反応を行い、アミノ酸の保護基を脱保護することでダイマーペプチド[125I]E{c[RGDf(4-H/I)K]}2の合成に成功した。U87MGヒトグリオーマ細胞を用い、c[RGDf(4-I)K]およびE{c[RGDf(4-H/I)K]}2のαVβ3インテグリンとの結合親和性を評価した結果、ダイマーペプチドはモノマーペプチドに比べ高い結合親和性を示した。U87MG細胞を移植した担癌マウスにおけるダイマーペプチド[125I]E{c[RGDf(4-H/I)K]}2の体内放射能分布を調べた結果、腫瘍への高い集積を示し、投与4時間後の腫瘍組織への集積はモノマーペプチドに比べ有意に増加した。今後、対応する211At標識ペプチドの検討を行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

放射性核種の入手が困難であったことから、アスタチンを用いた研究はあまり進めることができなかったが、新規ペプチド合成に成功し、アスタチン標識の基礎的な検討となる放射性ヨウ素を使った検討は十分に行うことができた。

今後の研究の推進方策

動態改善の新規ペプチド合成と共に、放射性ヨウ素標識体と組み合わせて、アスタチンを用いた研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

大きな予算を計上していたアスタチンを用いた研究をあまり進めることができず、比較的、研究費を必要としない、ペプチド合成、放射性ヨウ素標識などの研究を中心に行ったため余剰が生じた。2020年度にアスタチンを用いた研究を進めて行く予定であり、予算を使用予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Development of Diagnostic and Therapeutic Probes with Controlled Pharmacokinetics for Use in Radiotheranostics2019

    • 著者名/発表者名
      Kazuma Ogawa
    • 雑誌名

      Chemical and Pharmaceutical Bulletin

      巻: 67 ページ: 897-903

    • DOI

      https://doi.org/10.1248/cpb.c19-00274

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] アルファ線放出放射性同位元素アスタチン-211を用いたラジオセラノスティクス用プローブ開発2019

    • 著者名/発表者名
      小川 数馬
    • 雑誌名

      JSMI Report

      巻: 12 ページ: 14-20

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ラジオセラノスティクスを目指した放射標識化合物開発研究2019

    • 著者名/発表者名
      小川数馬
    • 学会等名
      第59回日本核医学会学術総会
    • 招待講演
  • [学会発表] アルファ線治療を包括したラジオセラノスティクス用プローブ開発2019

    • 著者名/発表者名
      小川数馬
    • 学会等名
      PETサマーセミナー2019 in 福島
    • 招待講演
  • [学会発表] At-211標識RGDペプチドの開発を目指した基礎的検討2019

    • 著者名/発表者名
      越後拓亮, 三代憲司, 柴和弘, 絹谷清剛, 小川数馬
    • 学会等名
      第14回日本分子イメージング学会
  • [備考]

    • URL

      http://www.p.kanazawa-u.ac.jp/~bunseki/

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi