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2020 年度 実績報告書

放射性ハロゲンを用いた包括的癌診断・治療法(ラジオセラノスティクス)の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18K07630
研究機関金沢大学

研究代表者

小川 数馬  金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (30347471)

研究分担者 粟生木 美穂  福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助手 (10783227)
三代 憲司  金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (60776079)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードペプチド / がん / アスタチン / イメージング / 核医学治療
研究実績の概要

2020年度は、前立腺癌のアルファ線治療を目指して、前立腺癌や乳癌を含むさまざまな腫瘍で過剰発現することが報告されているガストリン放出ペプチド受容体(以下、GRPR)に着目し、GRPRに高い親和性を有する14残基のペプチドbombesin(以下、BBN)を輸送担体とした211At標識BBN誘導体の作製および評価を行った。ヨウ素を使用した6種類のBBN誘導体(IB-BBN)を合成し、GRPR結合親和性を測定したところ、IB-3が天然BBNと同程度の親和性を示した。IB-3のヨウ素を211Atで置換した構造を有する[211At]AB-3を合成するため、末端にアミノ基を有するBBN誘導体に、別途調製した[211At]SABを反応させ、HPLCで精製することにより、[211At]AB-3を放射化学的収率28%、放射化学的純度90%以上で得た。[211At]AB-3をヒト前立腺癌細胞PC-3に曝露させたところ、[211At]AB-3は細胞に取り込まれ、その取り込みは過剰の天然BBNの同時曝露で抑制された。マウス血漿中での安定性試験により[211At]AB-3は経時的に分解することが明らかとなったが、投与早期は未分解体で存在し、担癌マウスの腫瘍組織に集積した。腫瘍およびGRPR高発現組織である膵臓の集積は天然BBNの同時投与によって阻害されたことから、[211At]AB-3はGRPR特異的に集積することが示唆された。一方で、他の臓器にも放射能が分布しており、これは[211At]AB-3から遊離した211Atによるものと考えられた。改善の必要はあるが、これら結果は、今後の研究に有益な情報を提供するものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Preliminary evaluation of astatine-211-labeled bombesin derivatives for targeted alpha therapy.2020

    • 著者名/発表者名
      M. Aoki, S. Zhao, K. Takahashi, K. Washiyama, N. Ukon, C. Tan, S. Shimoyama, K. Nishijima, K. Ogawa.
    • 雑誌名

      Chem Pharm Bull

      巻: 68 ページ: 538-545

    • DOI

      10.1248/cpb.c20-00077

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 腫瘍指向性ペプチドを用いたセラノスティクス用プローブの開発研究2021

    • 著者名/発表者名
      越後 拓亮、三代 憲司、平田 咲、鷲山 幸信、高橋 和弘 、柴 和弘 、絹谷 清剛、小川 数馬
    • 学会等名
      日本薬学会 第141年会

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公開日: 2021-12-27  

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