研究課題
本研究に先立ち申請者はfusion system (3D sim-Navigator)を開発しさらに発展させ、治療針周辺の電場をモニタリングすることで焼灼領域を予測する機能 (E-field) を考案した。電場の伝播は肝組織の線維化の程度により異なることが明らかにされている。本研究ではエラストグラフィーを用いて肝線維化量を推定し、E-fieldによる焼灼範囲予測を正確に行う方法を確立することを目的としている。さらに申請者が全県下で進めているICTによるネットワーク基盤整備を活用し、本システムによる遠隔診療システムを確立し県下全ての施設において肝がん治療水準の向上を行うことも目的としている。2019年度の目標としてfusion systemを行う患者に対してcombination-elastographyを施行し、肝硬度、脂肪定量、炎症推測値がE-fieldにおける焼灼範囲に寄与しうるかどうかを重回帰分析にて検証した。いずれも統計学的には有意なマーカーとはならなかった。焼灼時間や出力に比べれば大きな影響を与えるものではなかった。そのためetiologyや肝臓の線維化の程度でe-fieldによる焼灼範囲を個別に設定する必要がないこと確認できた。また2020年度の目標としてICTによる遠隔診療の構築を目的に上げているが、その基盤もほぼ構築できた。愛媛県医師会によるVPNネットワークシステムを活用したカルテ共有システムを立ち上げ遠隔診療への準備を行うことができた。
2: おおむね順調に進展している
当該年度の目標であったelastographyと焼灼領域との関連を明らかにすることができた。また来年度の目標である遠隔画像診療システムについてその準備が整ったため順調に進展していると判断した。
VPNシステムEMAネットを活用したHIMEネットにてカルテ共有を行い、遠隔診療を試みる。
発表のための交通費とICTシステムに使用した。概ね順調に進んでいるものの、ICTシステムで一部配線など来年度以降に持ち越したものがあるため。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
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