研究実績の概要 |
データの再現性に問題があるかもしれないことが示唆されたので、比較的データが安定していると思われる子宮のデータからヒストグラムを描いてみたところ、ある程度の再現性が確認されたので続けてデータ収集を行った。9症例についてconductivity値の計算をドイツ本社のUlrich博士にお願いしているところであるが、SARS-Covid2の影響もあると思われるが、現時点で計算結果は得られていない。そこで、もう一つのデータ解析として、全部で22症例についてb-valueの違いによるDWIのsignal intensityの変化をIVIMの計算式にcurve fittingさせてパラメータ(D, D*, f)を計算し、臨床・病理因子との関連を計算した。D, D*, fともに有意な関連は指摘できなかったが、Dの最大値は転移リンパ節数とある程度の関連を示していた。DWIは続けて2回撮像しており、初回のデータではr=0.436, p=0.055、2回目のデータからはr=0.423, p=0.063とある程度の関連が示唆される結果であった。データの再現性は比較的高く、within-subject coefficient of varianceは10.7%、Bland-Altman plotのbiasは-5.56%、standard deviation of biasは12.9%、95% limits of agreement of は-30.8% から+19.7%であった。因みにD, D*, fの中ではDの再現性が最も高く平均値,中央値で比較するとDmean, Dmedian=10.6%, 9.7%、 D*mean, median=39.6%,36.1%、fmaen, fmedian=63.8%, 57.4%となり、今までの報告と同様の傾向を示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回、SARS-COVID-2の世界的蔓延の影響で、ドイツでも多数の感染者・死者が生じている。Johns Hopkins大のデータによると、2020年4月7日の時点で、感染者103,375名、死者1,810名であり、この影響もあってかドイツ在住のUlrich博士によるconduncivity値の計算は進んでいないが今後は終息に向かい研究に大きな支障は生じないと考えている。本研究のもう一つの柱であるDWIから計算したIVIMパラメータと臨床病理因子との関連では予想外ではあるがDの最大値が、臨床的意義(再発や予後との関連が強いと考えられている)の高い転移リンパ節数とマージナルではあるが関連が示唆され、今後研究を進めていく価値が高いと考えている。2020年4月にシドニーで開催予定であったISMRM2020で発表予定であったが、開催時期が変更されてしまい、残念ながら発表できていない。
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