研究課題/領域番号 |
18K07637
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
米田 正人 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (10423831)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 |
研究実績の概要 |
肝細胞癌は年間粗死亡率が3万人を超え疾患対策上きわめて重大な疾患であり,世界的に非B非C型肝細胞癌,特にNASH由来の肝細胞癌が増加している。2018年度は年間で151例のラジオ波焼灼療法を施行し、その中で非B非C型肝炎でアルコールが関与していないものは53例であった非B非C型肝発癌には肝線維化が重要な因子であり、肝線維化の進行に伴い発癌率は増加することが想定されているが、近年のMRの開発により部位別の肝硬度の測定が可能となった.現在、肝細胞癌の診断能が最も優れているGd-EOB-DTPA造影MRIを非B型非C型肝細胞癌の治療後効果判定,治療後再発のサーベイランスとして3ヶ月間隔で施行し、肝硬度としてMREのElastogramを評価することにより肝区域別(外側区、内側区、前区域、後区域、尾状葉)の肝硬度を測定している。現在、肝細胞癌の異所性再発をきたした症例は新規発癌と肝内転移を疑う症例とがあるが、特に新規発癌した背景肝は肝硬度が高い傾向が認められた。 また発癌における発表においても2018年10月26日開催の第23回日本外科病理学会学術集会シンポジウム「炎症性発癌の最前線」において筆頭演者として基調講演を行い、臨床検査学会編集の臨床検査ガイドラインJSLM2018において「脂肪肝・NASH」ガイドラインの筆頭著者、日本消化器病学会によるNAFLD/NASHガイドライン作成委員会においてサーベイランス法の提言作成の準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肝細胞癌にたいしてラジオ波焼灼治療の施行件数は想定通りであり、また消化器病学会ガイドラインでも発癌に注目したサーベイランス法を提言する方向で進行している。
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今後の研究の推進方策 |
肝細胞癌は年間粗死亡率が3万人を超え疾患対策上きわめて重大な疾患であり、世界的に非B非C型肝細胞癌、特にNASH由来の肝細胞癌が増加している。今後も非B非C型肝炎の肝細胞癌の診断能が最も優れているGd-EOB-DTPA造影MRIを非B型非C型肝細胞癌の治療後効果判定、治療後再発のサーベイランスとして3ヶ月間隔で施行し、同時にMREのElastogramを評価することにより肝区域別(外側区、内側区、前区域、後区域、尾状葉)の肝硬度を測定し解析を行うことで非B非C型(特にNASH由来)肝細胞癌の再発と、肝硬度の関係について調査を継続する。また非B非C型肝細胞癌のサーベイランス法は確定していないためNASH患者の肝線維化の不均一化、特にFocal cirrhosisからの発癌リスク、それを踏まえた適切なサーベイランス法の提言を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定していた国内学会で招待講演、交通費補助があり予定した金額が節約された。次年度は国際学会への出席を予定している。
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