研究実績の概要 |
ラットへの膵動注の方法:NK012動注群(N=9)はX線透視下に腹腔動脈からNK012(30mg/kg)を注入、イリノテカン動注群(N=9)は同様に腹腔動脈から40mg/kgを注入する。各グループはそれぞれ注入後5分後(N=3)、6時間後(N=3)、24時間後(N=3)に採血及び安楽死させて組織(腫瘍、膵、十二指腸)を摘出した。採取した血液、組織に対してそれぞれNK012動注群ではSN-38,遊離SN-38濃度の測定を行い、イリノテカン動注群ではイリノテカン、SN-38濃度の測定を行なった。 結果:腹腔動脈からの動注は18匹(平均体重321g 281-351g)に対して施行された。NK012の平均投与量は9.77mg(9.1-11mg)、イリノテカンの平均投与量は12.7mg(11.2-14mg)でいずれも手技的に問題なく終了した。 抗腫瘍活性を示すfree SN-38は腫瘍内において24時間以降も濃度が維持されている。腫瘍と十二指腸との6時間後-24時間後の濃度勾配の比較検討では有為に(P=0.011)腫瘍内の濃度が維持されていることが示された。
|