本研究では、ヒト脳における神経新生を非侵襲的にイメージングする技術の確立を目指した。そのため、現在唯一確立されているブロモデオキシウリジンによる細胞標識法と同じ生化学的メカニズムに立脚したポジトロン断層撮像(PET)薬剤の開発を試みた。 候補化合物の4DSTは細胞増殖能の高い脳室下帯および海馬への集積性を示し、オートラジオグラフィーによる解析からこれらの部位への集積は大脳皮質の2倍程度であることが明らかとなった。小動物PETにおいては脳室下帯の画像化に成功したが、感度が低かった。4DSTの脳移行性を改善するためプロドラッグの開発を試みたが、研究期間内に目的化合物の単離には至らなかった。
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