研究実績の概要 |
2018年、2019年度に合計38例の被験者(男性22例、女性16例、37-69歳、平均53.7±9.2歳)に対して検査を施行した。歯周病の内訳は 正常歯肉症例9例(Ⅰ群)、歯肉炎~軽度歯周炎14例(Ⅱ群)、中等度以上の歯周炎15例(Ⅲ群)、MMSEは平均28.9点であった。歯周炎菌はP.gingivalis(PG), T.forsythensis(TF), T.denticola(TD), A.actinomycetemcomitans(A.A.)の陽性例がそれぞれ、7、17、12、1例で、20例で最低1種類の菌が陽性であった。 視覚的に大脳皮質への異常なF-18-FPYBF2の異常集積を認めた症例はⅠ群に属する1例のみ(右後頭葉に限局性集積)であり、そのほかには、有意と考えるアミロイド沈着を呈する症例は見られなかった。小脳皮質のトレーサ集積に対する相対的な皮質の領域ごとの集積(SUVR)を算出し、皮質のSUVRの平均値(mean cortical index:MCI)はⅠ,Ⅱ,Ⅲ群:1.09±0.03, 1.10±0.05, 1.10±0.06と3群間に有意差は認められなかった。歯周炎菌の陽性群と、陰性群の間にも有意差は認められなかったが、MCI>1.13を呈した5例はⅡ群2例、Ⅲ群3例と、歯周炎陽性例であった。 部位別SUVRの歯周炎菌別検討においては、中心前回で各菌陽性群は集積が高い傾向にあり、PG陽性群は有意に陰性群よりも高値を呈した(p<0.05)、前頭葉眼窩回部においては、各菌陽性群が陰性群よりも低く、TF,TDで有意な結果であった。下前頭回ではPG陽性群が陰性群よりも低値であった。側頭葉においては、そのほかの領域においては、各菌陽性群のほうが陰性群よりも低値の傾向があり、TG,TDにおいて有意であった。
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