研究課題/領域番号 |
18K07668
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
近藤 隆 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 名誉教授 (40143937)
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研究分担者 |
野口 京 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (10242497)
齋藤 淳一 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (70572816)
趙 慶利 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (90313593)
REHMAN MATIUR 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 特命助教 (10810921)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 細胞死 / アポトーシス |
研究実績の概要 |
金ナノロッドによる放射線増強機構の解明を目的に実験を行った。ヒト白血病細胞株Molt-4を使用して、金ナノロッド100ngあるいは500ngで照射前18時間処理し、放射線照射6時間後に、細胞死(アポトーシス)とその関連事象について調べた。金ナノロッド単独100ng使用群では調べたすべての指標は殆ど変化しなかったが、 500ng処理群では、アポトーシスの誘発は僅かであったものの、生細胞数の有意な減少を認めた。関連する指標の中では特に細胞内活性酸素の増加は顕著であった。また、細胞内GSHの低下も有意であった。一方で、ミトコンドリア膜電位の低下や細胞内カルシウムイオンン濃度の変化は殆どなかった。放射線2.5Gyとの併用では、100ngあるいは500ng使用ともに細胞死、アポトーシスともに増強作用が認められた。特に500ng併用時には全ての指標で増強効果が認められた。一方、 100ng使用時に放射線併用で顕著な増強が認められた関連指標は、ミトコンドリア膜電位の低下だけあった。増強効果の程度を考えると、500ng併用が望ましいが、単独での毒性を考慮すると毒性のない100ngが適すると思われる。今後、1)最適用量の検討および上皮系癌細胞株での単独処理および放射線併用効果の検討、2)細胞毒性と放射線増感効果を示す濃度について金ナノ粒子と比較、3)金ナノ粒子および金ナノロッドの増強の分子水準でのメカニズムの解明等が必要となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞水準の実験では妥当なレベルと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
1)最適用量の検討および上皮系癌細胞株での単独処理および放射線併用効果の検討、2)細胞毒性と放射線増感効果を示す濃度について金ナノ粒子と比較、3)金ナノ粒子および金ナノロッドの増強の分子水準でのメカニズムの解明が必要となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
代表者3,536円、2名の分担者の物品費に各残額17,989円が生じたので、次年度と合わせて使用予定。
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