研究実績の概要 |
昨年までの成果として、DANTE法による血管内信号抑制は、従来のMSDE法より均一なASL信号の低減に成功した。この論文(Matsuda, T., et. al. (2018). MRI, 49: 131-137)の結果をうけて、今年度は血流ファントム、正常人でのDANTE法の基礎的検討を行い、臨床応用のための最適パラメタの決定をおこない、結果を論文に報告できた(Fujiwara, Y., et al. (2019). MAGMA)。また、限られた臨床検査時間内に十分なS/Nを得るため3delayのHadamard encodeと4秒LD、3秒PLD収集との組み合わせでスピン到達時間(ATT)の補正が比較的簡便にできることを確認した。これを基礎として、シムレーションと正常人を対象に到達時間とCBF計測が比較的精度よく臨床応用可能な時間でできることを確認し,国際学会に報告した(Ishida S, et.al. ISMRM 27th, May 2019, Montréal, QC, Canada)。この結果は現在雑誌に投稿中である。さらに、CBF, CBV, 到達時間同時計測モデルを用い、moyamoya病の主幹動脈狭窄患者(N=7)に応用し、定量的PET-CBFの値との対比について、国際学会にて報告した(Kimura H, et.al., ISMRM 27th, May 2019, Montréal, QC, Canada)。現在さらに症例を集め検討を進めている。ASL潅流画像の変性疾患への応用も論文としてまとめることができた(Ikawa, M., et al. (2018). J Neurol Sci 394: 58-62.)。
|