研究課題
本研究の目的は、我々が開発したCTガイド下IVR用針穿刺ロボット(Zerobot)を用いたCT透視ガイド下生検の臨床試験(First-in-Human試験)を実施することである。臨床試験は当初の計画通り平成30年4月から試験を開始した。順調に症例を重ね、目標の10例において症例登録を行い、全例でプロトコル手技を実施した。10例の内訳は、男性6例、女性4例。平均年齢72歳。生検部位としては、腎4例、肺3例、副腎1例、前縦隔1例、腸腰筋1例であった。10例全例でロボットを用いた病変への生検導入針の刺入は実行可能であった。ロボットを用いた病変への生検導入針の刺入に伴う術者の実効線量は全例で0μSvであった。ロボットの不具合はみられなかった。有害事象は8例で計11個生じたが、ロボットとの因果関係が疑われた有害事象はなかった。全ての有害事象において回復もしくは軽快が確認された。全例で病理診断結果が得られた。平成31年3月には統括報告書を作成し、モニタリングと監査を受けた後に試験終了となった。今年度は日本生体医工学学会大会、先端総合イメージングセミナー、岡山県医用工学研究会、日本肺癌学会、日本脳神経外科学会や学内の講演会等で臨床試験の結果の周知を図った。本ロボットにおいては、現在日本医療研究開発機構(AMED)の革新的がん医療実用化研究事業において、医師主導治験を実施中である。2021年中に治験を終了する予定である。現在は治験を実施するとともに、治験後は薬事承認申請に向けて、連携する製造販売業許可を持つ企業との連携を模索している。
すべて 2021 2020
すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件)