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2019 年度 実施状況報告書

免疫チェックポイント阻害薬の効果予測のための新たな画像診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18K07682
研究機関九州大学

研究代表者

馬場 眞吾  九州大学, 大学病院, 准教授 (80380450)

研究分担者 磯田 拓郎  九州大学, 医学研究院, 助教 (90452747)
北村 宜之  九州大学, 大学病院, 助教 (70644722)
染原 涼  九州大学, 大学病院, 助教 (00778821) [辞退]
田原 圭一郎  九州大学, 大学病院, 医員 (80769802) [辞退]
本田 浩  九州大学, 大学病院, 教授 (90145433) [辞退]
山田 明史  九州大学, 大学病院, 学術研究員 (00565129)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードPET検査 / 免疫チェックポイント阻害剤
研究実績の概要

Programmed cell death-1(PD-1)およびprogrammed cell death- ligand-1(PD-L1)シグナリングパスウェイは、がん細胞が宿主の自己免疫による腫瘍制御を 回避するために利用する強力なT細胞阻害経路である1)。抗体を用いてこの経路を遮断する免疫チェックポイント阻害薬は一部のがんにおいて強力な抗腫瘍効果 がもたらすことが分かっている2,3)。我が国においてはニボルマブ(オプジーボ)が根治切除不能悪性黒色腫に対して承認されたのち、腎細胞がん、再発非小 細胞がん、ホジキンリンパ腫、胃がんに対して順次適応が拡大され、今後他のがん種に対しても急速に適応が拡大される可能性が高い。 しかしながら本薬剤は薬価が極めて高価であるだけでなく、一定の頻度で治療効果が不良な例があること、また重篤な副作用が発生することが知られており、治 療効果が期待される症例の適切な選別法の確立が必要不可欠である。 腫瘍におけるPD-L1発現は、抗PD-1 /抗PD-L1療法に対する反応を予測するバイオマーカーであるため、腫瘍におけるPD-L1の発現レベルの正確な評価法の確立が 重要である。PD-L1の発現を評価する方法は従来直接biopsyによる免疫染色法しかなかったが、全病変に対し生検を行う事は特に多発転移を伴う患者の場合現実 的ではない。さらにPD-L1の発現は同一個人内の複数の病変で不均一である可能性、また治療に伴い動的に変化する可能性が指摘されており、非侵襲的な評価法 の確立が望まれる。近年ポジトロントレーサーを用いてPDL1の発現を画像化する方法が報告されつつある。本研究ではPD-L1を18Fで標識した18F-PD-L1を作成 し、動物実験を経て臨床応用を行うまでを目的とする。新しいトレーサーであるため、臨床研究の報告は少なく、臨床有用性はまだ確認されておらす、早期の臨 床研究の成果が待たれる状況である。 本年度は抗体標識に適した放射性核種合成のための設備体制の構築と合成準備を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ポジトロン核種であるC標識のPD-L1抗体を用いたPET検査がすでに肺がんや黒色腫の症例にて報告されている。64Cuや89Zrは従来からPETに使用されている核種 と比較して半減期が長く抗体標識に適している反面、これらの金属核種を生成できる施設は全国でも限られており、普及が難しい。我々は18Fに加えて89Zrおよ び64Cuの核種を合成できる体制をとっており、今年度においておおよその体制確立ができたが動物実験への導入が遅れている。

今後の研究の推進方策

従来しられている89Zrあるいは64Cuによる標識にくわえRalphらの報告によるとPD-L1の抗体ライブラリーのなかのBMS-986192を18Fで標識することによりPD-L1発 現をPETにて画像化できる事を報告している。今後交代を入手し、各種へのラベリングを行い、早い段階で動物実感に移行する予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度は成果発表のための旅費の発生がなかったため、次年度以降に使用額が生じた。

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公開日: 2021-01-27  

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