研究課題/領域番号 |
18K07687
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
大島 伸宏 北海道医療大学, 薬学部, 助教 (80508648)
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研究分担者 |
鹿内 浩樹 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (00632556)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Theranostics / 腫瘍 / 内用療法 / octreotide / インジウム-111 / イットリウム-90 / 副作用低減 / 腎臓 |
研究実績の概要 |
近年、診断 (Diagnosis) と治療 (Therapy) を直結した概念である Theranostics が重要視されており、放射性同位元素 (RI) による標識化合物は Theranostics を体現する手法として高い注目を集め、盛んに研究が行われている。RI 標識化合物を用いる Theranostics の具体例として、神経内分泌腫瘍に高発現するソマトスタチン受容体 (SSTR) を標的とした PRRT (Peptide Receptor Radionuclide Therapy) が知られている。これまでに RI 標識オクトレオチド誘導体の PRRT における有効性が報告されてはきたが、RI 標識オクトレトチド誘導体は投与後早期から、正常な腎臓に 対して高い放射能集積を示すことが問題となっている。高い腎放射能集積により診断時には画像診断精度が低下し、治療時には細胞殺傷性の高い放射線による腎被ばくにより腎障害を惹起する。そのため、腫瘍部位へ選択的に集積することはもちろん、既存薬剤で認められる高い腎集積を大幅に低減する新たな薬剤の開発が求められている。 これまでに申請者らは、既存の RI 標識オクトレオチド誘導体のアミノ酸配列を修飾することで、腎集積を既存薬剤の50%にまで低減し、腫瘍集積を 4~10 倍に増大する化合物の設計法を見出してきた。 令和 2 年度は、平成 30 年度から令和元年度にかけて開発したRI 標識化合物のうち、in vivo で腫瘍/腎集積比を大きく改善した化合物について、その機序解明に向けた細胞実験を実施した。化合物の細胞内への取込み量、細胞の増殖を指標とした検討を実施したが、腫瘍集を増大する要因の発見には至らなかった。今後は SSTR や細胞内タンパク質発現量の変化等を追跡することで、機序解明に向けた情報を獲得できるのではないかと考えている。
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