従来の点状線源はPET装置の校正や定量性評価に適する物理特性を有していなかった。これに対して、本研究で開発しているトレーサブル点状線源はこの目的のために研究代表者らが世界に先駆けて独自に考案したものであり、国家標準とPET装置を直接的に結びつける信頼性と利便性に優れたかつてない独創的な校正ツールとなる。そして、トレーサブル点状線源を用いる校正・定量性評価法は、水ファントムや樹脂ファントムに基づく従来法に比べて、不確かさや利便性において優れた特徴を有している。それゆえ、これまでにない校正・定量性評価法の可能性が拓けるなど、PET装置の物理的品質管理に関わる分野における1つのブレークスルーとなる。
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