研究課題/領域番号 |
18K07691
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鈴木 通真 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20534811)
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研究分担者 |
寺西 功輔 順天堂大学, 医学部, 助教 (80384105)
山本 宗孝 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50338414)
大石 英則 順天堂大学, 医学部, 教授 (60255685)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | サイレントMRA / 脳動脈瘤治療 / 金属アーチファクト |
研究実績の概要 |
平成30年度はサイレントMRAの撮影に関する最適化や条件設定に注力するための実験が行われた。サイレントMRAは、arterial spin labeling(ASL)と組み合わせた超短TE(UTE)を含むSilenzシーケンスを使用している。本研究の最終目標は頭蓋内血管内での金属ステント内の描出能の向上としている。まずは視覚的に評価しやすい大径動脈(頸動脈を想定)を模したファントムを用いた。動脈ステントはPrecise(Cordis)ステントを使用した。 フローポンプ(FUYO社製)は、70拍/分の速度、10および40㎝/秒に設定された流速で一定のパルス流を送達した。ラベリング位置は、1)ステント外の近位、2)ステントの内側、3)ステント外の遠位に設定し、U字形ファントムの各測定点(1-9)でファントム血管の信号強度を評価し、信号強度比(SIR)を計算した。3回スキャンし、そしてSIRを(血管信号)/(バックグラウンド信号)により計算した。ラベリング位置は「ステント外の近位」に設定すると、遠位部の信号強度は流速10 cm / secで減少した。標識位置と走査位置との距離が長いため、標識血液信号が減衰し、信号強度が低下したと考えられた。 標識位置を「ステント外の遠位」に設定すると、流速40 cm /秒で近位領域の信号が減衰した。標識位置と走査位置の距離が短いため、標識血流が早々に通過し、信号強度が低下したと考えられた。しかし、高い信号強度は遠位領域で維持された。 流速が速かったため、標識血液が遠位部に到達した。ラベリング位置を「ステント内」に設定すると、すべての測定点の信号強度が減少しました。 これは、磁化率と無線周波数シールドによるラベリング効率の低下と思われた。良好なUTEフローを得るために、ラベリング位置と流速の関連性の最適に把握する必要がある考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年中に、さらに最新の ultra short TE シーケンスを4Dで撮影できる機種が当院に搭載されたので、そちらの初期設定に追われたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年の上半期には、早々に細血管に適応を拡大する予定である。 ステント、ステント+コイル、さらには近年のPIPELINEステントも利用してファントム実験を重ねたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新機種の投入と最新知見の情報収集のために、実際に使用する資材の購入に踏み切ることができなかった。本年度は利用環境が整備されつつあるので、積極的に細血管ファントムや頭蓋内ステントの購入を進めたいと考えている。
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