研究実績の概要 |
3D-QALASで得られる定量値を1.5T Philips機にての基礎的検討を行った。T1, T2, プロトン密度において、既知の値をもつファントムと得られた値はよく合致し、また高いrepeatabilityを有していた。健常者脳でのT1, T2, プロトン密度、ミエリン量は、高いrepeatabilityを有しており、文献報告値とも合致していた。ミエリンマップに関しては、他の手法で得られるものと比較的良く合致していた。synthetic MRIでは従来法と異なり臨床で撮像されるT1強調像、T2強調像、FLAIR像も取得できるため、synthetic MRIでミエリンマップを撮像できると臨床導入しやすい。これらの結果は3D-QALASを開発しているSynthetic MR社に報告した。今後も順次協力していく。また、3D-QALASの3T GE機ではcompressed sensingによって高速撮像(1mm isotropic, 約6分)も達成し、ファントム、健常者、及び患者にて撮像を行い、画像解析中である。今後、臨床撮像としてはcompressed sensingを用いた3D synthetic MRIを使用し、各種脳腫瘍症例を集積していく。また、Deep learningを用いて3D-QALASデータから血管画像を作成することに成功した。3D-QALASの臨床導入への道がさらに開けたと考えられる。
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