研究課題/領域番号 |
18K07693
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
松迫 正樹 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医長 (90209528)
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研究分担者 |
原 武史 岐阜大学, 工学部, 教授 (10283285)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 胸部CT画像 / AutoEncoder |
研究実績の概要 |
深層学種を基盤にしたAutoEncoder型ネットワーク(AE)による特徴抽出を継続して実施した.ここでは,CT 画像から結節領域を切り出し 128×128 にリサイズした.この切り出し画像に対して,AEを用いて特徴抽出を行なった.本手法で用いたAEは畳み込みとMaxPoolingを交互に2 層重ね,32×32×4 の特徴量を抽出する.特徴量を UpSampling と畳み込みを交互に2層重ね,元の画像へ再構成し,再構成誤差を最小化するように学習を行なった.畳み込みのフィルタサイズを 3×3,MaxpoolingとUpsamplingのフィルタサイズを2×2とした.ここで抽出した結果を主成分分析により2次元に圧縮し,横軸を第 1 主成分,縦軸を第 2 主成分とするグラフへプロットした.また,切り出した結節画像の画素値を主成分分析により 2 次元に圧縮し同様にプロットし,結果を比較した.ここで得られた特徴量をSVM,ランダムフォレスト,部分空間法の 3 つの手法で良悪性の分類を行い,結節画像そのものを 3 つの手法で分類した結果と比較した. 本研究では胸部 CT 検査を 3~8 回受診した診断が確定している患者から得られた画像を対象に実験を行った.良性結節 20 症例と悪性結節 28 症例の合計 48 症例であり,結節状陰影が存在するスライスのうち良性 330 枚, 悪性 950 枚を用いた.良性,悪性どちらも非切除の症例である.本実験では 10-fold cross-validation を用いて分類精度 の評価を行った. AEの結果を主成分分析を用いて可視化した結果,腫瘍ごとにクラスタを作る傾向が見られた.これは,腫瘍の成長を反映していると考えられる.また,AEとSVM,AEとランダムフォレスト,AEと部分空間法を組み合わせて量悪性鑑別を行なった場合,それぞれのROC曲線下面積は,0.9546,0.9225,0.9444であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響によって,研究打ち合わせや観察者実験,症例の確認に遅れが生じた.特に2020年3月から7月の間の遅れが顕著であり,学会発表も実施できなかった.
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今後の研究の推進方策 |
既存のデータのクレンジングを改めて行い,打ち合わせを頻繁に行うことで実験を加速する. 計算資源については,岐阜大学側での資源の追加が行われており,実験の計画を綿密に立ててすでに実施している.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により研究の遅れが生じた.そのため,2020年度末終了の研究期間を2021年度末まで1年間延長し、2021年度にできる限り研究の遅れを取り戻すべく、既に研究計画を修正している。
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