研究課題/領域番号 |
18K07693
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
松迫 正樹 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医長 (90209528)
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研究分担者 |
原 武史 岐阜大学, 工学部, 教授 (10283285)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 人工知能 / AutoEncoder / 特徴抽出 |
研究実績の概要 |
画像からの特徴抽出とその結果を利用する方法論について,研究を行なった.特徴抽出を行う方法は,AutoEncoderを中心に実験を行なった.AutoEncoderで出力される特徴量を可視化するために,部分空間法の適用も試みた.AutoEncoderの学習は,48例(良性20例,悪性:28例.合計:1234スライス)の画像を症例ごとに分割し,10-fold cross validationを用いた.抽出する特徴量は,32x32x4である.抽出された特徴量に基づいて分類を行なった結果,精度の最大値は0.821であった.一方で,体積倍加時間に直接関連する特徴量はまだ発見できていない.しかしながら,腫瘍の良悪性に関する特徴は,AutoEncoderが効率よく自動的に発見できることから,画像中の異常検知への応用に研究を発展させた.CT画像の解析とは異なり,正常症例のみで画像特徴量を抽出し,その正常範囲を定めた.そして,異常症例から生成される擬似正常画像と入力画像の差分画像の画素値の合計を異常度とする判定処理を開発した.この手法を,NIHなどが公開するCOVID19公開データベース(学習用正常例:10,000例,テスト用正常例:500例,テスト用異常例:500例)に適用した.正常例とCOVID19肺炎の2分類をROC解析を用いて評価した結果,ROC曲線下面積0.844を得た.これらの方法を一般化し,日本医用画像工学会の記事として掲載した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ソフトウェアの開発と評価は順調に進んでいるが,COVID19関連の影響で研究打ち合わせが制限され,研究に関する議論が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
画像特徴量の可視化について注力する.AutoEncoderの利用が中心であったが,GANを利用した画像生成および異常検知法についても研究を進める.すでに達成した目標の論文化を行い,手法の公表,教材の提供を準備する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大に伴い,研究のために必要実験,対面方式による打ち合わせや研究検討の機会が予定通り進んでおらず,研究目的達成のためには,どうしてもこれらを次年度に行わなければならず,そのための繰り越す必要が生じている.
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