研究課題
0.25mm検出器を搭載した高精細CT装置は、従来型検出器CT装置と比較してより細かな構造の描出が可能である。この技術を応用した頭部領域における眼動脈、前脈絡動脈、視床穿通動脈、中大脳動脈穿通枝の描出能に関する検討では、高精細CTで有意に細動脈の描出能が改善されることを確認した。これらのことから、脳外科領域で臨床的に重要な細動脈及び静脈系における高精細CTを用いた高分解能CT angiography (CTA)の有用性が示された。高精細CTでは被ばく線量の増加が懸念されるため、被ばく低減技術の併用が重要となる。被ばく低減画像再構成技術には、従来までの手法として統計学的ノイズモデルなど各種モデルを組み込んだHybrid type iterative reconstruction (Hybrid-type IR), 種々のモデルを用い,順投影による繰り返し処理によって,低線量の投影データでも最適な画質を得ることができるアルゴリズムであるModel Based Iterative Reconstruction (Model-based IR)がある。さらに,近年開発された被ばく低減技術である,ディープラーニングを用いたノイズ成分とシグナル成分を識別し分解能を維持したままノイズを選択的に除去する再構成技術(deep learning reconstruction; DLR)がある。これらの被ばく低減画像再構成法による,高精細CTにおける頭部CTAの画質改善効果の検討では,Hybrid-type IR,Model-based IRと比べてDLRにて有意に微細血管構造のCT値の上昇,画質の改善,アーチファクトの低減が見られた。以上のことから,新しい被ばく低減画像再構成法であるDLRは,従来法と比べて,高精細CTを用いた頭部CTAにおける描出能の改善に寄与する可能性が示された。
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Eur J Radiol
巻: Epub ページ: Epub
10.1016/j.ejrad.2020.109430
10.1016/j.ejrad.2020.109501
Jpn J Radiol
10.1007/s11604-020-01045-w
10.1016/j.ejrad.2020.109410