研究課題/領域番号 |
18K07697
|
研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
古場 裕介 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 放射線防護情報統合センター, 主任研究員(定常) (10583073)
|
研究分担者 |
甲斐 倫明 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (10185697)
小野 孝二 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (10611171)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 医療被ばく / モンテカルロ / IVR / 一般撮影 |
研究実績の概要 |
H31年度(令和元年度)ではH30年度でシステム設計を行ったIVR撮影時の患者の被ばく線量を計算するためのシステムのアプリケーション開発を進めた。研究代表者がこれまでに研究開発を行っていたCT被ばく線量計算システムWAZA-ARIのシステムと同様にインターネットブラウザを通じて広く利用してもらうために使いやすいグラフィカルインターフェイスとなるよう試行を重ねた。また、様々な撮影条件(管電圧、方向、距離、照射野サイズ、撮影部位)時の臓器被ばく線量をデータベース化を進めた。 また、一般X線撮影時の患者の被ばく線量評価方法の検討では放射線の発生位置を領域区分することにより、任意の撮影範囲の臓器線量計算を行う方法について検討を進め、その成果を第118回日本医学物理学会学術大会にて報告を行った。現在、正面撮影、背面撮影時の体幹部の臓器被ばく線量の算出方法まで確立しており、引き続き様々な撮影方向や体幹部以外の撮影時の臓器被ばく線量計算についても検討を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
IVRの撮影条件パターンが想定より非常に多く、代表的な撮影条件だけあっても条件ごとの被ばく線量計算を算出するためのモンテカルロ計算に膨大な計算リソースと時間を要している。他研究と計算リソースを共有しているため、他研究者と調整しながら進める必要があり、臓器被ばく線量データベースの構築が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
IVRの撮影条件の被ばく線量データベースの構築を進め、代表的な撮影条件の被ばく線量計算が可能となった段階で、構築したシステムに格納する予定である。構築したシステムをWebサーバーで稼働させ、試験運用を行う予定である。 一般X線撮影時の患者の被ばく線量評価方法の検討では、上記IVRと同様にシステム化に向けた設計を進め、次年度中のシステム開発を目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症対策のため、多くの学会や出張等が中止となり、旅費の使用が想定より少なくなったため。
|