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2018 年度 実施状況報告書

非線形MR高速撮像の臨床導入に向けた血管系画像の画質評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K07703
研究機関東北大学

研究代表者

町田 好男  東北大学, 医学系研究科, 教授 (30507083)

研究分担者 高橋 順士  東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (50791852)
大田 英揮  東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40586905)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードMRI高速撮像 / 非線形処理 / 圧縮センシング / 画質評価 / 血管画像
研究実績の概要

近年、限られた観測データから所望の情報を引き出す技術が発展し、MRI高速撮像技術にも応用されている。代表的な手法である圧縮センシングMRI(CS-MRI)は、昨年頃より臨床機への実装が進んだ状況にある。本研究では特に、CS-MRIの基本的な画像特性について、臨床と基礎を結びつけた形で定量的把握を行うことを目的としており、初年度の30年度は、以下の項目について検討を進めた。
(1)物理的画質評価法: CS-MRIの撮像パラメータに依存した画質の変化を検討するために、ノイズパワースペクトル(NPS)の計測についてより定量的に評価するための改良を加えた。具体的には、撮像の高速化率(AF)やCS再構成処理におけるデノイジングファクタ(DF)の影響を、CS処理の影響の大きい位相エンコード方向についてNPSを可視化することで、画質の変化の程度を判定量的に表すことができた。
(2)ファントムによる視覚評価: 解像特性についての、径の異なる血管狭窄評価用ファントムを用いた視覚評価から検討に着手し、CSの収集再構成パラメータであるAFやDF依存性について基本特性についての感触を得ることができた。また、(1)、(2)の検討では、分割収集型の高速撮像では分割数に依存した画質の不連続な変化が認められ、実用上の留意点となると思われた。
(3)臨床画像との比較評価: 本年度は本画質評価との関係には踏み込めていないが、別の臨床研究テーマとして得られている臨床画像の確認を進めている。
なおそれぞれの検討内容について学会報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

(1)の物理的評価法については、NPSによる評価の初期検討として興味深い結果が得られたと考えているが、(2)のファントムによる視覚評価は既存のファントムによる撮像結果の確認にとどまっており方向付けが不十分な面がある。また臨床画像との比較評価については具体的方法の検討が十分に進められたとはいえなかったため、やや遅れているとした。

今後の研究の推進方策

達成度はやや遅れているとしたが、3つの検討項目について検討は進めている。臨床データの確認も進めており、学会調査や計算機環境の整備も進めた。31年度に予定している「各項目の検討を進める中で関連付けを行っていく」という目標は達成できるものと考えている。具体的な方策としては、物理評価法ついては複素データを用いてNPS評価で精度を上げる手法の検討、ファントム評価では新しい模擬ファントムを用いた検討、などを予定している。その中で倫理面に十分配慮しながら、臨床データとの比較検討を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

使用の端数として2663円が残りました。次年度書籍等で有効活用します。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (13件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [学会発表] Denoising Parameter Dependence of Noise Characteristics in Compressed Sensing MRI2019

    • 著者名/発表者名
      Takahashi J, Fukuzawa K, Miura N, Hiramoto S, Aoba M, Machida Y
    • 学会等名
      日本放射線技術学会第75回総会学術大会
  • [学会発表] Evaluation of Noise Characteristics of Compressed Sensing MR Images Using 2D and 1D Noise Power Spectra2019

    • 著者名/発表者名
      Kamosida R, Takahashi J, Aoba M, Nawa Y, Ichikawa N, Machida Y
    • 学会等名
      日本放射線技術学会第75回総会学術大会
  • [学会発表] MR高速撮像の温故知新2019

    • 著者名/発表者名
      町田好男
    • 学会等名
      第14回東京MRI動態機能研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] MR高速撮像:技術開発野の変遷と最近の動向2019

    • 著者名/発表者名
      町田好男
    • 学会等名
      第58回宮城MR技術研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] Measuring vessel signal intensity and FWHM changes along vessels for numerical evaluation of vessel depictability in non-contrast enhanced peripheral MR angiography2019

    • 著者名/発表者名
      Aoba M, Fujimoto A, Machida Y
    • 学会等名
      ECR2019
    • 国際学会
  • [学会発表] Investigation of Measurement of Signal Intensity Change along Vessels in Peripheral MR Angiography2018

    • 著者名/発表者名
      Aoba M, Fujimoto A, Aita K, Machida Y
    • 学会等名
      日本放射線技術学会第74回総会学術大会
  • [学会発表] MTFを用いたT2-weighted Variable Refocusing Flip Angle 3D TSEの画像特性の検討2018

    • 著者名/発表者名
      吉田礼、曽根理、荒木隆博、町田好男
    • 学会等名
      日本放射線技術学会第74回総会学術大会
  • [学会発表] 圧縮センシング MR Angiographyにおける血管狭窄ファントムの描出能の評価2018

    • 著者名/発表者名
      高橋順士、福澤圭、大本由樹、門間正彦、青羽南臣、町田好男
    • 学会等名
      第46回日本磁気共鳴医学会大会
  • [学会発表] Tissue-specific variable refocusing flip angles 3D T2W TSE撮像におけるMTFの比較2018

    • 著者名/発表者名
      吉田礼、荒木隆博、町田好男
    • 学会等名
      第46回日本磁気共鳴医学会大会
  • [学会発表] パラレルイメージングにおけるNoise power spectrum計測2018

    • 著者名/発表者名
      三浦洋亮、吉田礼、一関雄輝、町田好男
    • 学会等名
      第46回日本磁気共鳴医学会大会
  • [学会発表] 圧縮センシングの基礎2018

    • 著者名/発表者名
      町田好男
    • 学会等名
      第46回日本放射線技術学会秋季学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 圧縮センシングMR画像のノイズパワースペクトル計測2018

    • 著者名/発表者名
      高橋順士、福澤圭、大本由樹、三浦則仁、平本壮一、青羽南臣、町田好男
    • 学会等名
      46回日本放射線技術学会秋季学術大会
  • [学会発表] 非造影下肢MRAにおけるMIP像と3D元画像を用いた信号値及び半値幅の計測法の比較検討2018

    • 著者名/発表者名
      青羽南臣、藤本綾子、町田好男
    • 学会等名
      第46回日本放射線技術学会秋季学術大会

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公開日: 2019-12-27  

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