研究課題
本研究で用いる超伝導技術を用いた世界最小の重粒子回転ガントリー照射装置は、順次臨床応用が開始され、患者の治療へ応用しながら、治療対象を拡大してきた。具体的には2022年4月より水平方向での照射、5月より寝台を通過しない上方向からの照射、7月より全角度からの照射、10月より呼吸同期照射が可能となり、着実に臨床実績を上げている。照射範囲も回転中心で20x20cmの範囲で均一性が確認でき、機器の術中重粒子線療法への準備は終了した。すでに前年度までに、術中重粒子線療法実施の学内コンセンサスは医学部・病院に対する説明会などを通じで得られており、実施するためのチームを編成可能な状態になっている。患者の手術室から重粒子線治療施設の回転ガントリー照射室までの経路も、開創状態で患者搬送が可能なことも確認できた。加えて、患者を開創状態でセットアップし、その状態でCT室に搬送し、CTを撮影、治療計画ワークステーションに取得データを送信し、実際の治療計画を立案し、実際の照射が可能となる時間の測定も実施したが、頸部、胸部・上腹部、骨盤で、転送時間の最大は24分、治療計画実施時間は最長で18分であり、実際に術中重粒子線療法の実施が可能であることが確認できた。以上より、本研究の目的である、術中放射線療法が世界で唯一可能な山形大学医学部東日本重粒子センターが、実際に、術中重粒子線療法が可能であることが示されたと考えている。今後は、実患者の治療に向けて、プロトコールの作成、実施チームの編成、特定臨床研究を行うための各種準備、指定倫理委員会での審査準備にかかる予定であり、可能な限り短時間で、実際の治療を行うことを目指すこととしている。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
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