研究課題
細胞内酸化ストレス関連 Xc系を阻害する化合物(エラスティン、ソラフェニブ、スルファサラジン)を使って、単独および放射線と併用による細胞死と細胞内活性酸素(ROS)を中心にして、フローサイトメーターで調べた。細胞死の形態観察(Giemsa染色)、蛍光色素で核の形態観察(DAPI蛍光染色)、アポトーシスはフローサイトメトリーによるホスファチジルセリンの細胞膜への発現(Annexin V-FITC/PI染色)で検証した、化合物および化合物による細胞増殖毒性評価:Cell Counting Kit-8を用いた。結果について、Molt-4細胞においてスルファサラジンと放射線併用による細胞死を増強することが確認された。HeLa細胞においてスルファサラジンはハイパーサーミアによる細胞死を増強することが確認された。令和1年は、HeLa細胞を利用し、放射線およびハイパーサーミアの増感効果とその分子機構を検討した。次は細胞の形態変化とタンパク質発現より細胞死の遺伝子の発現を検討した。細胞内活性酸素種について、過酸化水素(H2O2):特異的蛍光プローブBES-H2O2-Ac(細胞透過性);Dihydroethidine (DHE), MitoSOX; Red mitochondrial superoxide indicator; ヒドロキシルラジカル(・OH): Hydroxyphenyl Fluorescein(HPF); パーオキシナイトライト(ONOO-): Aminophenyl Fluorescein(APF)それぞれフローサイトメトリーにより検討した。細胞内GSH量について、細胞内GSH定量キットを用いて測定した。ミトコンドリアの膜電位についてTetramethyl rhodamine methyl ester(TMRM)色素を利用してフローサイトメトリーにより測定した。
2: おおむね順調に進展している
研究の目的を中心にして、ほぼ計画による遂行している。現在までの達成度は約90%と考えられる。
令和2年度研究について以下の通りで遂行する。前年度の研究を継続、発展を図るとともに、主に放射線細胞死の増強と細胞死様式を調べるとともに、マイクロアレイを用いて網羅的遺伝子発現解析を行い、遺伝子ネットワークを作成し、また、ウエスタンブロットでタンパク質発現を解析する。最終年度で、研究成果をまとめ論文として公表する。
令和2年度主に遺伝子とたんぱく質発現を中心として、そのために一部抗体の購入時間を変更した。細胞死のメカニズム解析のため、ほぼ計画どおりで使用する。
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Free Radical Research
巻: 53 ページ: 304-312
10.1080/10715762