研究課題
本研究では、画質および線量評価に基づいて、被検者体型に適したCT撮影条件を検討することを目的としている。画質と線量のバランスが取れた撮影条件を検討する上で、重要な画質評価指標の一つが画像ノイズである。しかし、逐次近似再構成画像のような非線形画像に対して画像ノイズを評価することは困難である。そこで、本研究では、非線形画像に対し視覚的印象を反映した画像ノイズ評価法(見かけのノイズ評価法)を考案し、前年度作成した低コントラスト評価ファントムを、異なる撮影条件、再構成条件で撮影、再構成し、得られたCT画像の見かけのノイズを評価した。特に、近年、臨床での利用が増えている、深層学習を利用した画像再構成法で得られたCT画像の見かけのノイズを評価したところ、従来の逐次近似応用再構成法で得られた画像の見かけのノイズよりも低減していることが分かった。また、異なる被写体サイズに対し、同一線量で撮影された画像について、大きい体型のファントム画像の見かけのノイズは、標準体型の画像に比べて数倍程度大きく、さらに、非線形画像上の見かけのノイズは、従来のCT値の標準偏差と撮影線量の関係と同様、撮影線量の平方根におよそ反比例していることが分かった。また、線量評価について、体型の異なる小児胸部-骨盤CT検査のCT画像を用いて、各被検者の数学ファントムを作成し、CT装置のジオメトリや撮影パラメータを設定して、シミュレーション計算を行い、各被検者の臓器線量を推定した。また、検査後コンソール上に表示される線量指標を用いて、各臓器位置に対応した指標を算出した。この指標と臓器線量との関係性を評価したところ、成人と同様、両者の間には強い線形相関が認められたため、線量指標から臓器線量をおよそ推定できると考えられた。これらの評価結果をまとめ、関連学会で発表を行った。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)
Physica Medica
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