研究課題
過去3年間の検討により、全身PET/MRIの高速撮像のためのプロトコールは確立され、本研究課題で対象となる骨転移巣を有する去勢抵抗性前立腺癌患者の全身NaF PET/MRI撮像方法を確定する事が出来た。昨年度はPETのファントム試験をPET/MRI装置で行い、より基礎的な画像再構成に関する検討を行った。PETの高速撮像のためのBayesian Penalized Likelihood(BPL)法における至適パラメータ(β値)をファントム試験にても実証するために、臨床と同条件の画像再構成を複数検討し、昨年度までに決定された至適β値がファントム試験においても至適値となることが実証された。本検討は米国核医学会2022で発表を行ったとともに、英文誌への投稿(Diagnostics誌)を行っており、現在査読段階である。前回検討を行った、去勢抵抗性前立腺癌の骨転移巣をPET/MRIを用いて正確かつ定量的に評価するための、骨の減弱補正を加味した画像再構成の検討は引き続き実行されている。MRIのZero echo time (ZTE)法を用い、骨組織の描出を行うとともに、MRIから深層学習を用いて疑似CTを作成し、PETの画像再構成を行う検討を行った。その結果、深層学習を用いてZTEから骨を生成して得られた減弱補正法は、従来のPET/MRI減弱補正法よりも、PET/CTに近い定量値を算出する事が出来た。昨年度はさらに深層学習の学習プロセスを疑似3次元化することにより改良し、より正確な骨の減弱補正をPET/MRIを用いて行う事が出来るようになった。これにより、本検討で必要となる、去勢抵抗性前立腺癌の骨転移巣の定量的評価をより正確に行う事が出来ると考える。本検討は欧州核医学会2022にて発表を行った。
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