研究課題/領域番号 |
18K07716
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
澁谷 景子 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50335262)
|
研究分担者 |
椎木 健裕 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (30610456)
高橋 昌太郎 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50626364) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | ビジュアルバイオフィードバックシステム / 四次元動体追跡放射線治療 / 呼吸同期下超高線量率照射 / 呼吸コーチング / 画像誘導放射線治療 / 強度変調放射線治療 |
研究実績の概要 |
本研究では,患者の呼吸状態によって治療完遂まで時間を要してしまい,治療のスループットが上がらない動体追跡放射線治療の弱点を克服するため,患者の呼吸状態を安定させ,治療スループット向上を目的とした視覚コーチングシステムを開発した. 本システムは,動体追跡システムが算出した腫瘍近傍に留置された金属マーカの三次元座標情報を基に,治療室外から患者呼吸を確認しながら呼吸抑制のための閾値を決定するコンソールと患者へ呼吸状態をフィードバックするためのタブレットから構成されている. 視覚コーチングシステムを効率よく使用するために,医療用加速器の高線量率モード(6MV-FFF:1200MU/min, 10MV-FFF:2400MU/min)を使用するための技術開発を行った.腫瘍をモニタリングするためのkV-X線透視を撮像するタイミングと放射線治療を行うためのMV-X線を照射するタイミングを工夫することにより,医療用加速器の能力を最大限に発揮するシーケンスの開発に成功し,臨床応用を開始した.これにより激的に肺・肝の定位的動体追跡放射線治療のスループットを向上させることを達成した. また,この技術を膵腫瘍へ応用するために,コイル形の金属マーカーを腫瘍近傍に留置する必要がある.コイル形のマーカーは,腫瘍モニタリングの方向によって,その形状が変化するため,現行のシステムで腫瘍追跡のために使用されているテンプレートマッチングアルゴリズムではコイルを追跡するのが困難である.そのため,コイルに対応した腫瘍追跡アルゴリズムを開発した.これらを臨床応用することで,激的に治療のスループットを向上させることを達成した.
|