研究課題/領域番号 |
18K07722
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
藤崎 達也 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (00285058)
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研究分担者 |
阿部 慎司 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (00274978)
布施 拓 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (10712648)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 高精度放射線治療 / ポリマーゲル線量計 / 人体ファントム / アガロース |
研究実績の概要 |
人体等価ファントムの作製技術、ポリマーゲル線量計の作製技術、ボーラス型ゲル線量計の開発研究、およびフルモンテカルロ計算技術により、ポリマーゲル線量計による人体リアルファントムを開発する。 人体リアルファントムは人体を忠実に模した組織等価な人体モデルであり、かつ、ポリマーゲルによる組織等価型の3次元線量分布測定ツールである。この性能を利用して、従来困難であった強度変調回転放射線治療(VMAT)や強度変調放射線治療(IMRT)に対する患者個別の3次元線量分布検証について検討する。 平成30年度は、ポリマーゲルにゲル化剤としてアガロースおよび数種類の原料を調合して、水等価性能を有するポリマーゲル線量計を作製して線量応答性を検討した。また、フルモンテカルロ線量計算システムを用いて人体リアルファントム内の表面線量から体内の詳細な3次元線量分布を検討するため、高エネルギー放射線発生装置の加速器ヘッドシミュレーションを行った。 その結果、アガロースを使用して作製したポリマーゲル線量計は従来のゼラチンを用いたポリマーゲル線量計によりも形状保持性や酸素阻害の少ない特長を有していることが示された。線量応答性においては、アクリルアミド系ではゼラチンと同様の線量応答性が得られた。また、人体リアルファントムの性能評価に使用するための高エネルギー放射線発生装置の2次コリメータ上流の位相空間データをデータベースに蓄積することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は水等価性能を有するポリマーゲル線量計を作製したが、今後はより人体組織に対応した形状・性能をを有するポリマーゲル線量計を作製する。研究の進め方等には大きな変更はない。
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今後の研究の推進方策 |
ポリマーゲル線量計の形状と硬度を調整してin vivoドジメトリが可能な人体リアルファントムを作製する。そして、人体リアルファントムに放射線治療ビームを照射して、実測とモンテカルロシミュレーションによる3次元線量分布の検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 当初購入を予定してい解析ソフトウェアが想定よりも高価だったことや、安価なポリマーゲル原料を購入して自家製造したため。 (使用計画) 解析ソフトウェアの再検討を行い購入するとともに、ポリマーゲル原料や封入パック等の関連物品を入手して研究を進める。
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