研究課題/領域番号 |
18K07733
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
渡邉 絵里 東京女子医科大学, 医学部, 准講師 (50256723)
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研究分担者 |
長尾 充展 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60533081)
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00159047)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心サルコイドーシス / MRI / マッピング / 心筋ストレイン |
研究実績の概要 |
令和元年は、昨年に引き続き、東京女子医科大学病院に通院し、診断ガイドラインにより心サルコイドーシスと診断された患者、及び、他臓器でサルコイドーシスと診断され、心サルコイドーシスが疑われている患者を選択し、登録を継続して行った。心臓MRI検査を治療前、治療後、follow up期間に施行し、病状とともに経時的変化の経過を追っている。心臓MRI検査では、シネ画像、T1、T2マッピング、遅延造影像などを撮像し、心機能の定量評価、心筋障害の程度の評価のため解析を行っている。新規治療開始例に対して、治療前後の評価を行っているが、対象症例は想定より少なく、少数例にとどまっている。 また、疾患活動性および病態評価のため心臓MRI検査を施行し、かつFDG-PET検査も施行したサルコイドーシス症例において、FDG-PET陽性例を活動性ありと定義し、FDG-PET陽性群と陰性群において、T2マッピングによる検討も継続して行っている。左室を心基部、中部、心尖部にわけ、計16セグメントにつき解析したところ、FDG-PET陽性群では陰性群に比べ、有意に心基部と中部の平均T2 値が高値であるという結果が得られた。この結果を、SCMR 23rd Annual Scientific Sessionsにおいて報告した。この結果は、サルコイドーシスの疾患活動性をT2マッピングから求められるT2値で定量評価できる可能性を示唆している。さらに症例を増やして検討し、cutoff値の設定することで、造影剤を使用せず、放射線の被ばくなく、非侵襲的に活動性を評価できる可能性があると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初想定したよりも、新規の心サルコドーシスの患者が少なく、登録に至る症例数がまだ十分ではないため、リクルートする患者をふやすよう努力している。また心臓MRIとPETを施行した患者につき、活動性の指標の検討を継続している。また遅延造影による心筋障害の定量評価、ストレインによる心機能解析も行っている。
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今後の研究の推進方策 |
新規の心サルコイドーシス患者の登録に努める。心外病変で発症したサルコイドーシス患者においても、心臓MRIによる心病変の有無につき評価を行う。また新規発症患者の数が限られているため、すでに心サルコイドーシスとして治療中の患者における経過観察としての心臓MRI、PETの所見から、再燃の診断におけるT1, T2マッピングの意義や有用性、再燃時の病態・治療評価についても検討する予定である。さらに、遅延造影像と心筋ストレイン、マッピングのデータと予後についての検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度では、解析ソフトウエア、パーソナルコンピューター、プリンタ等を購入予定であったが、ソフトウエアのバージョンアップが期待したものと異なっており、別のソフトウエアに変更する予定である。ソフトウエアにあわせて、コンピューターを選定した方がよいと判断し、購入は行わなかった。次年度に購入予定である。
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