聖マリアンナ医科大学ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニックを受診し、聖マリアンナ医科大学病院で手術を施行された乳癌患者を検索した。術前にマンモグラフィーおよび乳房CT検査をブレスト&イメージングセンターあるいは聖マリアンナ医科大学病院で施行され、手術後に経過観察の単純CTを施行された患者が対象である。PACSより該当した患者の検索を行い、マンモグラフィー画像の有無、最終病理診断の確認作業を行い、150例を抽出した。 次に、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院にて胸部単純CTを施行された40歳以上の非乳癌の女性患者を検索し、同様の年齢幅を示す100例を抽出した。これらの画像のDICOM画像をサーバより取り出し、DVD-ROMに書き出した。乳腺組織のCT値の測定と、乳癌と非乳癌患者の間で比し、統計的に検討することは日本人のデータとしては認められず、乳腺組織の濃度が乳癌のリスクとなるのかについて評価できる研究として意義があると考えられることから、上記より得られたCT画像を用いて、乳癌患者と非乳癌患者の乳腺組織のCT値を測定した。測定法としては乳腺組織が最大に認められるスライスにおいて乳腺を可及的に用手的に囲む方法と、最大の楕円形のROIを設定する方法である。 欧米では乳腺濃度は乳癌リスク因子とされているが、評価はマンモグラフィーによる乳腺量を相対的に半定量的に評価している。本研究のように乳腺濃度をCT値にて測定し、乳癌と非乳癌患者とにおいて比較することがより重要である。
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