研究課題
基盤研究(C)
我々はRNA sequenceにより食道癌細胞株に対して30Gy/10frのX線照射によりPD-L1, MHC class Iを含むType Iインターフェロン依存的な免疫応答が生じることを見出した。また、遺伝子ノックアウト細胞株を用いた検証によりこの免疫応答がSTING-TypeI IFN-STAT1-IRF1カスケードのポジティブフィードバックにより生じることを明らかにした。さらにこのpathway依存的にヒトPBMCの癌細胞への浸潤を誘導することを明らかにした。
放射線治療
放射線治療に免疫チェックポイント阻害剤を併用する試みは現在世界中で行われており、今後放射線治療の主座になることが予測されている。現在その効果は唯一肺非小細胞癌でのみ立証されているが、2/3が再発するのが現状である。このため、バイオマーカー確立や更なる治療精液向上の妙の併用治療等を検証するために、放射線によるがん免疫応答誘導の分子メカニズムを解明することは必須である。本研究は放射線によるがん免疫誘導、type Iインターフェロン誘導から周囲の免疫細胞誘導まで一連のカスケードを明らかにしており、今後の放射線治療の向上に役立つ知見を提供する。