重粒子線治療をより強力な治療に発展させるべく、MRIガイド下での重粒子線治療実現のための粒子シミュレーション研究を実施した。使用するMRIの磁場レベルとしては、一般的なMRIの磁場である3Tおよび1.5T、開放式の0.3Tに加え、近年開発が進みつつある超低磁場の0.055Tを想定し、それぞれについて主磁場が線量分布に与える影響を明らかにした。二次電子や二次陽子は線量分布にほとんど影響を与えない。ビームは終端で磁場によりシフトするが、側方線量分布の形はほぼ影響を受けない。超低磁場MRI程度の磁場であればシフト量もごく微小であるため、既存施設との両立性の点からも実現可能性は高い。
|