研究課題/領域番号 |
18K07745
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
扇田 真美 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60779784)
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研究分担者 |
山下 英臣 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70447407)
今江 禄一 東京大学, 医学部附属病院, 副診療放射線技師長 (80420222)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / 定位放射線治療 / ハイドロゲルスペーサー / 線量増加 |
研究実績の概要 |
前立腺癌における体幹部定位放射線治療(stereotactic body radiotherapy:SBRT) は、高度画像誘導技術を用いることにより、1回線量を増加させ治療期間の短縮を可能にした高精度放射線治療である。本研究では、SBRTに直腸と前立腺の間に挿入し直腸の高線量被ばくを低減させるハイドロゲルスペーサーを併用することにより、有害事象を増やすことなく線量増加が可能であるか、治療時に問題となる臓器移動を抑制することができるかを明らかにすることを目的としている。 本年度は、SBRTにおけるハイドロゲルスペーサーの有効性と安全性を明らかにするための第2相臨床研究の主要評価項目の急性期消化管有害事象とその他の急性期有害事象、QOL、線量分布の改善の結果についての結果をまとめて論文投稿し、2021年6月に出版された(DOI:10.1186/s13014-021-01834-1)。晩期有害事象のフォローも終了し、晩期有害事象と抗腫瘍効果への影響などの長期成績について結果をまとめている途中である。 本研究課題である前立腺癌SBRT第1相線量増加試験に関しては、本年度中に2段階目の線量の症例登録と経過観察期間が終了し、次年度初めには最終段階の3段階目の線量の症例を登録予定である。 ハイドロゲルスペーサーの臓器移動抑制効果に関しては、当初予定していたcone-beam CTではなく、リアルタイムに照射中の前立腺の動きを観察できるClarity 4D ultrasound systemを用いて解析を行い、その結果をまとめて論文投稿し、2022年2月に出版された(DOI:10.1186/s13014-022-02008-3)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の症例集積は順調であり、おおむね予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度中に最終段階の線量の症例登録と経過観察が終了すると予測され、全体の結果をまとめることを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究はおおむね順調に進行しているが、次年度にも症例登録が継続され、最終結果のまとめを次年度に行うこととなったため、研究期間を延長し次年度時使用額が発生した。結果を学会発表し論文投稿予定であり、それらの費用に予算を使用する予定である。
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