研究分担者 |
坂本 勝美 九州大学, 大学病院, 助教 (50625803)
脇山 浩明 九州大学, 大学病院, 助教 (70758375) [辞退]
松本 圭司 九州大学, 医学研究院, 助教 (40467907)
浅山 良樹 大分大学, 医学部, 教授 (40380414) [辞退]
牛島 泰宏 九州大学, 大学病院, 助教 (40432934)
本村 有史 九州大学, 大学病院, 医員 (00826365)
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研究実績の概要 |
本年度は、これまでに測定された計4名の術者の術者の水晶体線量を元に本研究の課題について、評価考察した。対象は、観察期間2年で、210名の肝細胞癌患者に対して施行した、計263回肝動脈化学塞栓療法(TACE)においてIVR術者の水晶体線量をICRP推奨の測定方法に準じて防護眼鏡下で水晶体専用線計(DOSIRIS, Hp(3))でと現行法令上の水晶体線量測定法 (ガラスバッジで防護眼鏡外Hp(0.07))を評価した。なお、水晶体線量限度見直しの省令・告示が、2年の経過措置の元令和3年4月より施行されている。 結果:ガラスバッジ(G)とDOSIRIS (D)による水晶体線量(mSv) 防護眼鏡無の術者①G:14.1,D:14.6, 防護眼鏡有3術者では、術者②G:3.2, D:2.6, 術者③G:7, D:4.7, 術者④G:6, D:4.2で、今回使用した防護メガネ(東レ・メディカル株式会社製, 0.07mmPb)の遮蔽率は平均27.3%の被ばく低減効果であった 考察:現行法令の防護眼鏡外のガラスバッジでの水晶体線量から、防護眼鏡の遮蔽率を考慮することで防護眼鏡下の真の水晶体線量を予測することは可能であると考えられた。ただし、本研究のTACEの単独手技で対象3名の術者間だけでも防護眼鏡の遮蔽率の相違があり、ガラスバッジの測定値から遮蔽率を考慮した画一的な防護眼鏡下水晶体線量の予測には、問題があると考えられた。更に、各術者間だけでなく、様々なIVR手技で、X線の使用方向や対象患者の体格等から、ばらつきが多く、防護眼鏡下の水晶体線量の正確な予測は不可能と考えられた。すなわち、現行法令推奨の測定法での線量から、ICRP推奨測定法の線量に相当する値を算出は、ほぼ不可能で、防護眼鏡下で水晶体専用線量計を左目近傍に装着する規制が必要と考えられた。
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