研究課題
「個別化放射線治療」を実現させるために、「リキッドバイオプシー」という手法を用い、リンパ球および血漿中に存在する腫瘍由来のエクソソームの核酸・タンパクなどを調べ、癌の放射線感受性予測に応用する。2020年度は、昨年度に引き続き、腹部~骨盤部に放射線治療を施行した子宮頸癌、直腸癌、肛門癌、膵癌など、合計で150名の患者より血液を採取し、血漿およびリンパ球などの試料を分離採取を終了した。またリンパ球のDNA-PK活性測定、放射線誘発ガンマH2AXフォーカス測定を終了させ、血漿からエクソソーム内包マイクロRNA発現解析に必要なサンプルの分離調整を行った。各癌腫の治療成績・有害事象調査と、リンパ球DNA-PK活性・放射線誘発ガンマH2AXフォーカス測定の結果から、バイオマーカーとして有用かどうかを解析中である(学会発表準備・論文作成中)。また子宮頸癌に絞っての治療効果予測研究として、2010~2017年にかけて当院で根治的放射線治療を行った子宮頸癌患者の治療成績の遡及的調査と、腫瘍免疫の指標となるタンパクの免疫染色を行い、治療効果予測に有用なCD8やFoxP3、HLA-1といった発現が放射線治療効果予測に有用である事が判明し、この研究成果はJapanese Journal of Clinical Oncology誌に投稿掲載された。この結果は第33回日本放射線腫瘍学会学術大会、第56回日本医学放射線学会秋季大会、第63回日本放射線影響学会において、シンポジウム発表を行った。また2021年4月の第80回日本医学放射線学会総会においても発表する準備を進めている。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
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