研究実績の概要 |
悪性腫瘍に対するラジオ波凝固療法(radiofrequency ablation:以下RFA)の問題点としては電極針の焼灼範囲に制限があり、サイズの大きな腫瘍に対しては他治療との併用の開発が必須である。本研究では肺腫瘍モデルを使用した実験でRFAにより壊死で崩壊した腫瘍細胞内から抗腫瘍免疫を誘導する様々抗原が放出され ることに注目し、分子標的薬である免疫ポイント阻害剤により病巣全体のリンパ球によりさらなる活性化に繋げたり、肺癌の局所制御および予後延長の 基礎的なデータを蓄積することを目的とした。実験は日本白色種うさぎ(体重2Kg前後)を使用し、全身麻酔下により行った。CT装置は当大学動物実験施設の動 物実験専用のCT装置を用いた。経代したVX2腫瘍砕片の浮遊液をCTガイド下に穿刺した針より注入し、1週間後にCTを撮影、肺単発腫瘍ができたことを確認し、以下の各種の実験を行なった。うさぎVX2単発肺腫瘍モデルを無作為に抗癌剤単独群、RFA単独群、RFA+抗癌剤投与、未治療群の4郡に分け全生存の比較と治療群における安全性と局所制御評価を行い、RFAの免疫チェックポイント阻害剤併用の有効性を検討した。RFAの方法は電極針は2cm展開径のLeVeen Electrode。RF発 生装置は(RF 3000, Boston Scinetific)を用いた。CTガイド下で経皮的に電極針を腫瘍内に進め、CTで展開針内に腫瘍が存在することを確認し、30ワットで最大抵抗(roll off)に至れば通電を終了した。結果は各群8羽づつの生存率は18-27月前後で現在のところ各群とも生存率に有意差は示されなかった。
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