研究課題/領域番号 |
18K07765
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
甲斐 倫明 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (10185697)
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研究分担者 |
小野 孝二 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (10611171)
宮嵜 治 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 放射線診療部, 部長 (80278019)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | CT検査 / 脳腫瘍 / 硬膜下血腫 / 外傷 / 被ばく |
研究実績の概要 |
本調査のデータは、A 病院(小児科病床数:490床)の放射線画像レポートシステムより、対象年齢を初回時検査年齢16 歳未満とし、患者ID、生年月日、性別、年齢、身長、体重、検査日時、検査部位、診断名、検査目的、画像所見の11項目について、2002年4月1日から2016年3月31日までの14年間のデータを取得し、3回以上CT検査を行なっている小児を対象として、診断名をICDコードにて分類し、検査目的及び画像所見の分析を行った。ICDコードの分類結果は、水頭症、脳腫瘍、外傷の割合が多く、これらの理由により複数回のCTが行われていることが明らかとなった。水頭症、脳腫瘍、外傷の、検査目的及び画像所見について、文章解析を行った結果、水頭症、脳腫瘍については記述内容に特徴はみられなかったが、外傷の中で最も頻度の多かった、硬膜下血腫については、検査目的や画像所見に“血腫の消失”といった言葉があり、“術後”や“脳挫傷”といった記述はなかった。検査回数が4回以上の理由については、“術後”や“脳挫傷”といった記述があり、重症であったため検査回数が増加したことが示唆された。また、硬膜下血腫の手術歴の有無による検査回数のヒストグラムにおいては、手術歴なしはCT検査回数3回が最も多かったことに対して、手術歴ありは、6回が最も多く、手術を行ったことにより検査回数が多くなったことが示唆された。複数回のCT検査を受けている小児について、ICDコードにて分類し、検査目的及び画像所見の分析を行った。硬膜下血腫では、重症例や手術適応症例は検査回数が増加する傾向であることが明らかとなった。今回の分析から、外傷でCT検査を受ける場合、検査回数が多くなる理由は重症例や手術適応症例が存在するからであり、今後検査回数増加に伴う脳腫瘍リスクの増加につながるどうかの検証を行うことが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの流行による班会議の延期、国際会議の延期など、研究を進める上での障害があるが、データ分析は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であり、国際会議に発表すること、論文化に向けて、進めていく必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ問題で班会議が開催できないなど、研究費の使用計画が変更になった。2020年度5月に予定していた国際会議も2021年1月に延期になったが、国際会議に向けた成果発表と論文化を進める。
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