研究課題
基盤研究(C)
本研究では、アルツハイマー病の中核病変に位置付けられるタウ病変形成と神経炎症病態に着目し、モデル動物脳における1)タウ凝集病態、2)抑制性シナプス障害、そして3)炎症性アストロサイトを標的とした病態の早期検出に繋がる画像診断バイオマーカー技術開発に取り組んだ。一連の研究を通じて、タウ凝集の初期過程を画像検出し得るレポーターイメージング技術が創出されると共に、認知症モデル動物脳においてタウ病態に付随して生じる神経回路の興奮性/抑制性(E/I)バランス障害をPET画像検出し得る解析法が確立された。
神経科学、病態神経科学、細胞生物学、分子生物学
回路E/Iバランスの破綻や神経炎症は幅広い神経精神疾患で観察される共通病態であり、こうした病態を生体イメージングにより画像描出しながら治療効果などを検証する事が可能となる事で、画期的な創薬研究に繋がる。レポーターイメージング法の更なる発展性を追求するとともに、炎症性アストロサイトの生体イメージング技術開発に引き続き取り組む事を通じて、より複雑な脳疾患病態メカニズム解明に向けた研究プラットフォーム構築が期待された。