| 研究課題/領域番号 |
18K07778
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| 研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
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研究代表者 |
須藤 仁美 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 主任研究員(任常) (10415416)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 放射免疫療法 / ポドプラニン |
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| 研究実績の概要 |
放射免疫療法 (Radioimmunotherapy;RIT)は、がん細胞に高発現している抗原に対する抗体に治療用のラジオアイソトープ(RI)を標識し体内に投与する放治療法であり、高い抗腫瘍効果を示す。しかしながら標的分子である抗原は多くの場合正常細胞にも発現しており、これらに対する副作用が懸念される。がん細胞を特異的に認識することができる抗体は、正常細胞に対する副作用を抑制できるばかりではなく、治療抗体の投与量を増やすことが可能になり、高い治療効果が期待できる。本研究では、複数の難治性固形がんで高発現していることが知られているポドプラニンに対するがん特異的抗体(CasMab)を治療用RIで標識し、腫瘍モデル動物での体内動態、治療効果、副作用を評価し、CasMabを用いたRITの有用性を示す。当該年度は、従来型の抗ポドプラニン抗体を一部改変し、新しいクローンを作成した。この新規クローンをIn-111で標識し、ポドプラニンを高発現している培養細胞を用いて細胞への結合能を調べたところ、新規クローンは、従来型抗体に比べ有意に高い細胞結合性を示した。この結果から、新規クローンを用いたRITは、従来型抗体に比べ高い治療効果を示すことが予想された。そこで、新規クローンをβ線放出核種であるY-90で標識し、マウスモデルを用い治療効果の検証を行なった。Y-90で標識した新規クローンを投与したマウスでは、腫瘍の消失や腫瘍体積の減少が見られた。Y-90標識した従来型抗体では、腫瘍増殖の抑制効果は見られたものの、腫瘍の消失や腫瘍体積の減少は確認できなかったことから、新規クローンによるRITは従来型抗体に比べ、高い治療効果を有することを明らかにした。また、α線によるRITに向けて、Ac-225での抗体標識の条件検討を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
より腫瘍特異性の高い抗ポドプラニン抗体をY-90標識したRITの治療効果の検証は、ほぼ終了した。抗ポドプラニン抗体を用いたα線による治療に関しては、治療実験を行うのに十分な量のAc-225の供給が困難だったため、標識条件を検討するに留まっているが、標識条件は決定しており、モデル動物の準備や抗体のストックなど、治療実験のための準備はできている。
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| 今後の研究の推進方策 |
Y-90標識した新規クローンを用いたRITについては、病理解析を行い、論文発表を行う予定である。
α線標識抗ポドプラニン抗体によるRITについては、細胞結合実験を行い、In-111標識抗体と同等の結合性を示すことを確認し、モデルマウスを用いた治療効果の検証を行う予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
細胞培養に使用する試薬類の購入費が抑えられたため。翌年度に使用する予定の試薬の購入に使用する。
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