浸透圧ポンプを用いてIL-1βおよびIL-18の持続投与を行いTLR agonistであるCpGを投与ことでMASを発症させる新たなMASのマウスモデルを確立し、①IL-1β群、IL-18+IL-1β群で有意な体重減少が起こる。②すべての群で有意な脾腫大が認められる。③IL-18群でのみ有意な肝腫大が認められる。④IL-18群では白血球数の低下を認める。⑤IL-1β群ではCpG刺激後の好中球および単球数の低下が軽度にとどまる。⑥IL-18+IL-1β群では有意にCD4+T細胞およびCD8+T細胞数の低下を認める。⑦IL-18+IL-1β群で赤血球数、血小板数の有意な低下を認める。⑧脾臓ではIL-18群で、IFNγ、CLCL9、IL-12AmRNA発現の上昇をIL-10mRNA発現の低下を認める。⑨肝腫大、脾腫大はIL-18の濃度依存的に増悪し、脾臓でのCLCL9、IL-12AおよびTNFαmRNA発現は、高濃度刺激群においてのみ認められる。ことが判明した。これらの結果からMAS病態においてIL-1βとIL-18異なる役割を司り、IL-1βは体重減少(全身炎症)に、IL-18は肝腫大、IFNγおよびIL-12発現の増強、IL-10発現の抑制に働き、さらにIL-1βとIL-18の共刺激により、T細胞数減少、貧血、血小板減少が引き起こされることが明らかになった。。さらに、MAS病態の発現(肝腫大、非腫大、CXCL9、IL-12、TNFαの発現増強)には高濃度のIL-18刺激が必要であることが判明した。本検討からIL-1βあるいはIL-18どちらかの抑制のみではMASの制御は困難であることが予想され、今後IL-1/IL-18 dual blockerの開発と臨床応用が望まれる。
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