研究課題/領域番号 |
18K07789
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石井 良 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (90794008)
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研究分担者 |
石田 秀和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50467552)
小垣 滋豊 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (00311754)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心筋症 / 心筋線維芽細胞 / 心筋細胞 / RNA-seq |
研究実績の概要 |
特発性心筋症患者から心筋線維芽細胞を初代培養で樹立した。まずは、拡張型心筋症5例、拘束型心筋症5例で実験を行った。全エクソン解析により、拘束型心筋症のうち4例では、TNNI3の遺伝子変異が同定された。また、拡張型心筋症のうち1例ではTNNI2の遺伝子変異が同定された。その他の例については、心筋細胞で発現している257遺伝子については、候補となるようなバリアントは発見されなかった。これらの心筋線維芽細胞において、RNA-seqを行い、網羅的な遺伝子発現プロファイリングを行った。興味深いことに、拘束型心筋症や拡張型心筋症の心筋線維芽細胞では、発現パターンは正常とは著しく異なっていた。これは、主成分分析やヒエラルキークラスタリング、k-meansの方法において明らかであった。次に、細胞の増殖能やアポトーシス、接着能、遊走能について、それぞれの心筋線維芽細胞で解析した。これらについては、拘束型心筋症、拡張型心筋症それぞれにおいて、健常の心筋線維芽細胞と有意差を認めなかった。次に、正常ラットより心筋細胞の初代培養を樹立し、それぞれの疾患特異的心筋線維芽細胞と共培養を行った。特に、インサーターを用いたindirect co-cultureの系において、心筋細胞の拍動数(回/分)については変化を認めなかったが、contraction velocityについては、拡張型心筋症由来心筋線維芽細胞と共培養した心筋細胞では低下していた。また、relaxation velocittyについては、拘束型心筋症由来心筋線維芽細胞と共培養した心筋細胞では有意に低下していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
それぞれの心筋症患者由来の心筋線維芽細胞については問題なく培養を維持できており、細胞生理学的実験や網羅的発現解析に供することができている。エクソーム解析についても進んでおり、既報の遺伝子異常については同定できた。また心筋細胞のコンポーネントには遺伝子異常のない患者についても同定できた。さらに、心筋細胞との共培養において、心筋線維芽細胞が心筋細胞に影響していることが確認できている。
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今後の研究の推進方策 |
病的心筋線維芽細胞と心筋細胞との共培養により、心筋細胞の挙動に変化がでることが明らかとなってきている。今後は、これがどのようなメカニズムによって引き起こされるのか、RNA-seqによる解析から、有意に変動している液性因子について同定を行い、その因子をmodulateすることで、病的な心筋細胞の挙動が回復するのか確認する予定である。
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