研究実績の概要 |
エキソーム解析による責任遺伝子の同定については、炎症性疾患患者から3名を選択し、エキソーム解析(HiSeq2000, Illumina社)を行った。アミノ酸置換を伴う変異については複数の機能予測プログラムを元に遺伝学的重要性を評価し、常染色体劣性遺伝で複合ヘテロ変異を想定して候補遺伝子の絞り込みを行った。候補遺伝子の一つについて患者検体を用いて再現性の確認を行ったが再現性が得られなかった。 iPS細胞については、患者3名から分離した末梢血単核球を用いてセンダイウイルスベクター(CytoTune-iPS 2.0, DNAVEC)でSOX2(SRY-related HMG box 2)遺伝子、KLF4(Kruppel-like factor 4)遺伝子、Oct4(octamer-binding transcription factor 4)遺伝子、Myc遺伝子を導入し作成した。作成したiPS細胞に関しては、形態学的観察と幹細胞マーカー(NANOG, OCT3/4, SSEA4, TRA1-60)による未分化性維持について確認した。細胞分化マーカーを用いて三胚葉への分化は確認できたが、マウスを用いた奇形種確認は実施できていない。神経細胞への分化実験として、健常対照由来iPS細胞を用いて実験を行った。NestinおよびPAX6陽性細胞が確認でき、適切な培養条件下でロゼッタ形成を確認した。神経幹細胞のマーカーとしてSOX2の発現を確認した。
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