小児の急性脳炎・脳症は、発症まで健康に過ごしていた児に重篤な後遺症を残すことが多く、患児のみならず家族への心理的社会的影響も大きい。疫学調査は行われているが病態解明が不十分であり、特異的な治療法も開発されていない。本研究では急性散在性脳脊髄炎、多発性硬化症、および視神経脊髄炎を中心とした後天性脱髄性症候群に焦点を絞り、臨床情報とエキソーム解析による遺伝的情報を組み合わせ、小児ADSの最適なオーダーメイド治療のための情報基盤の作成と、多能性幹細胞由来神経細胞およびグリア細胞を用いて病態解明を行った。
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