研究課題/領域番号 |
18K07841
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
三谷 義英 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (60273380)
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研究分担者 |
丸山 一男 三重大学, 医学系研究科, 教授 (20181828)
澤田 博文 三重大学, 医学系研究科, 講師 (30362354)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 肺高血圧 / 動物実験 / ゲノム編集 / 炎症 / 平滑筋 |
研究実績の概要 |
肺動脈性肺高血圧 (PAH)は、特発性ないし先天性心疾患、膠原病などに二次性に発症する難治性疾患で、新たな治療法開発には病態解明に基づく新規の治療標的の同定が重要である。最近、ヒトPAH類似の特徴的な閉塞性肺血管病変を有するラットモデルを用いて、病変の進展、退縮における脱分化型血管平滑筋と炎症細胞の関与と網羅的遺伝子発現解析から得られた候補遺伝子MCP1受容体(CCR2)を報告した。しかし、内膜脱分化平滑筋細胞の由来細胞と、さらにCCR2がPAHの発症、進展及び平滑筋の脱分化に必須か否かは不明である。本研究では、ゲノム編集技術による遺伝子改変ラットを用いて、PAHの責任病変である肺血管病変に於ける内膜平滑筋細胞の由来する細胞を決定し 、CCR2がPAHの内膜病変形成に必須であるかを生体内(in vivo)で解明する事が全体目標である。 (A)CCR2 knock-outラットにおけるPAHによる肺血管病変への影響:現在、CCR2 knock-outラットと野生型ラットを用いて、SuHx処理と対照群の4群を作成し、処置開始後3週、5週、8週に心エコーで循環評価を行い、8週で心臓カテーテル検査による右室圧、大動脈圧測定後、屠殺し定量的組織評価、免疫染色による評価を行なっている。血行動態的評価、組織病理の結果からは、CCR2 knock-outラットにおいて、改善傾向を認めているが、例数の増加が必要である。 (BMyh11-Creラットを用いたPAHモデルでの分化型平滑筋細胞のFate mapping解析:現在、ゲノム編集技術を用いて、Mhy11-Cre-ERT2ノックインラットの作成仲である。現在、導入ベクターの作成に成功し、生体での導入を始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CCR2ノックアウトラットの作成が順調に行った為。 しかし、BMyh11-Creノックインラットは、現在、生体での実験を開始している段階であり、今後の進展が望まれる。
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今後の研究の推進方策 |
(A)CCR2 knock-out(KO)ラットにおけるPAHによる肺血管病変への影響:CCR2 knock-outラットと野生型ラットを用いて、SuHx処理と対照群の4群を作成し、処置開始後3週、5週、8週に心エコーで循環評価を行い、8週で心臓カテーテル検査による右室圧、大動脈圧測定後、屠殺し定量的組織評価、免疫染色による評価を行う。これらを、ラット数を揃えて実行していく。 (B)Myh11-Creラットを用いたPAHモデルでの平滑筋細胞のFate mapping解析:Mhy11-Cre-ERT2 X LoxP-Rosa26-tdTomato knock-in (KI)ラットを作成し、3週、5週、8週で心エコー、心カテによる右室圧測定後、屠殺し共焦点顕微鏡を用いて多重染色により分化型平滑筋由来細胞を評価する。生体でのベクターによる遺伝子導入段階であり、実験系の確率が課題である。 (C)上記ラットの交配によるCCR2欠損の肺血管病変、平滑筋の脱分化、炎症への影響の解析:上記ラットの交配により、肺血管病変、炎症細胞浸潤に加えて、分化型平滑筋由来細胞の動態を共焦点顕微鏡を用いて多重染色により評価する。上記2課題が、順調に行った場合に、検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:動物実験において、2018年度に使用する動物の必要数が当初の計画より少なく済んだため。 使用計画:2019年度に行う動物実験に使用する予定でさる。
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