胆道閉鎖症は世界中で最多の小児肝移植適応疾患であり、本邦でも全肝移植の中で最多適応疾患である。一方で慢性的なドナー不足、高額な医療費などは解決すべき重要な課題となっている。これまで胆道閉鎖症には有効な内科的治療法は存在しないが、根本的治療の開発には病因・発症機序の解明が必須である。本研究目的は、胆道閉鎖症の遺伝的素因を、本来同一の遺伝子を有するはずの一卵性双生児のうち片側のみ胆道閉鎖症を発症したペアのゲノム配列を比較することにより明らかにすることを目的としたが、研究期間中に感受性遺伝子は同定されなかった。更なる解析の追加、胆道閉鎖症の発症における環境因子の探索が必要である。
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